お肌にとって大変厳しい冬が終わったと思えば、やってくるのが花粉シーズン。季節の変わり目とも重なって、お肌はまたまたストレスに晒されています。
そんなお肌がゆらぎがちな春におすすめしたいのが、レチノール化粧品でのケアです。
ビタミンAに分類されるレチノールは、油溶性の美肌ビタミン成分で様々な化粧品に配合されています。代謝を促し、肌のごわつきを整え、シミ・シワ、ハリ不足、ニキビ、毛穴ケアなどに効果もたくさん!
そこで話題のレチノールがどんな成分なのか、効果や使う際に気を付けたい点を解説します。敏感肌に傾きやすいこの時期、レチノールでハリ感のある美肌に導いていきましょう。
レチノールはビタミンAの一種で、アンチエイジングにも用いられる成分です。
皮膚の新陳代謝を促進する作用があり、 古い角質が排出されることで、乾燥や肌荒れを改善し、キメを整え滑らかな肌を目指すことができます。
さらにメラニン色素も排出されやすくなるので、くすみの改善も期待でき、現在は光老化、シミ、シワ、たるみ・毛穴などの治療にも使用されています。
もともとアメリカでニキビ治療薬として用いた「レチノイン」が、シワも同時に消していたことで、美肌効果が注目されるようになりました。
ビタミンAやビタミンA誘導体ともいわれるレチノールは、油性のため肌なじみが良いという特徴があります。
しかもお顔全体に使えるため、お肌を丸ごとケアできる魅力的な成分といえますので、まずは期待できる効果について一つずつ紹介していきます。
肌のターンオーバーを助け、肌の生まれ変わりを早める働きがあるのがレチノールです。古い角質を落とし、新しい細胞を生み出すサイクルを加速することで、肌の奥にあるシミやそばかすなどの色素を古い角質と一緒に排出し、美白効果が期待できます。
また毛穴の皮脂汚れも表面に押し上げられる作用も見込まれます。
ターンオーバーを活発にするとともに、真皮層でコラーゲン生成をサポートする働きもあります。皮膚の奥の真皮にあるコラーゲンは、いわゆるベッドのスプリングのような役割を持ち、肌にハリや弾力性を与えています。
レチノールは、この真皮でコラーゲンやエラスチンの生成を促すことで、シワやたるみを改善して、ふっくら弾むような肌になっていきます。
エイジングケアに用いられるレチノールですが、ヒアルロン酸の合成を促進する作用もあることが分かり、最近は保湿面も注目されています。
ヒアルロン酸は肌が持っている保湿成分で、この働きにより水分を保て、みずみずしい肌が作られています。
それをレチノールによって増やし、柔軟性やシワの改善効果が期待できるのです。また真皮層にある保湿因子の「グリコサミノグリカン」の量も増加するともいわれ、保湿と肌荒れ改善につながります。
過剰な皮脂の分泌などで、毛穴の詰まりや黒ずみが起こり、アクネ菌が増殖してニキビが発生しますが、これらに対しても改善と予防が可能です。
レチノールには抗酸化作用があり、活性酸素を取り除き皮脂腺の働きが正常化することで、皮脂分泌が抑制されます。
さらにターンオーバーを促進し、肌の生まれ変わりもスムーズに行われることで、余分な角質が排出され、ニキビの炎症を抑え、ニキビができるのも防ぐことができます。
レチノールそのものに美白効果はありませんが、ターンオーバーの周期を整えることで、メラニン色素を排出することができます。
シミは、肌の表皮にメラニンが沈着したもので、肌の生まれ変わるサイクルが正常化すればくすみやシミの改善につながるというわけです。
目のまわりは乾燥しやすく、ハリが失われたり小ジワが出やすかったりする部分です。そんな部位にもレチノールを使用することでふっくらとしたハリを与えます。
レチノール成分を使った市販のスキンケア化粧品も増えていて、手軽に手にすることができますが、おすすめできる方とそうでない肌質があるので注意しましょう。
せっかく人気の成分レチノールを取り入れるなら、存分に作用が発揮できる使い方を心がけたいもの。
油溶性のためクリームや美容液に配合されているものが一般的ですので、化粧水の後、またスキンケアの最後に塗るのが基本です。市販化粧品に関してはメーカーがおすすめする順番を守りましょう。
また化粧水の後にレチノール製品を使う際は、肌になじんだのを確認してからにします。手の平に肌が吸いつくような感覚が出たら、そのタイミングで塗って下さい。
ビタミンCやビタミンAとの併用も話題ですが、ビタミンCは、メラニンの生成を抑える働きがあるとされ、美白とエイジングの両方に用いることができる魅力があります。
ただし、塗る順番は、ビタミンC誘導体が入った化粧水の後で、しっかり肌になじんでからレチノール配合のクリームや美容液を重ねるのがおすすめです。
混ぜて使うのは、お互いの作用を消し合い十分な効果が期待できないことがあります。
レチノールの種類によっては紫外線に当たることで変性してしまい、本来の効果を発揮できない可能性が考えられます。
また、使いはじめの段階では肌が敏感になることもあり、そこに紫外線を浴びてしまうと、シミなどの肌トラブルが発生しやすくなることもあります。
レチノール使用中には、日焼け止めはもちろん、帽子、サングラス、日傘などUV対策グッズを活用して、せっかくのお手入れを台無しにしてしまわないようにしましょう。使用後は、しっかりと保湿も行いましょう。
レチノール配合の化粧品を取り扱うブランドも多くなってきたこともあり、各社では期待できる効果や副作用は異なります。
気を付けたいのは、特に敏感肌の方が毎日レチノール商品を使うこと。皮むけや赤み、かゆみなどが生じるリスクが高くなります。
お使いになる前に、まず二の腕の内側などで試してから、顔への使用を開始して下さい。
美肌にとってはうれしい効果がたくさんあるのですが、使い始めた段階で副反応が出たり、刺激を感じたりする場合があります。
そのためにも、正しい知識を得た上でお使い頂く必要があるのです。
レチノールで起こる可能性のある副作用は、次の通りです。
・肌の乾燥 ・肌の赤み ・皮むけ
これらの症状は、新陳代謝が急に促されたことが原因で起こる反応ですので、自然におさまることがほとんどです。
まれに副作用の症状がひどかったり長引いたりする際は、放置せずに医師やクリニックにご相談下さい。
今レチノール配合化粧品はあちこちで販売されていて、そんな話題のアイテムをスキンケアに取り入れてみたい、と思っている方も多いのではないでしょうか。
レチノールは美肌を目指す多くの方にとって、ぜひ注目しておきたい成分のひとつです。ただ、使い方が良く分からないという方もいらっしゃいますので、今回はレチノールについて解説しました。
一般化粧品にも配合されるレチノールは、様々な種類があり、それぞれに安定性や効果が異なりますので、ぜひ使用法を守って使って頂くことをおすすめします。