梅雨にから夏にかけて熱中症を引き起こしやすくなります。熱中症は気づかないうちに重症化してしまいます。熱中症にならないためには対策が必要です。正しい対策方法と応急処置方法をご紹介します。
熱中症は、高温多湿な環境で起こりやすく、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れて、体温調節の機能が働かなくなってしまい、私たちの身体が適応できなくなることでさまざまな症状を引き起こしてしまう状態です。熱中症は重症化すると命にかかわります。熱中症にならないためにしっかりと対策をしましょう。
熱中症はイメージでは炎天下の中に長時間いたり、真夏の暑いなか激しい運動をしたりして起こることを想像するかもしれませんが、実際に多いのは、梅雨や夏にかけて湿度の高い環境で、急な気温の上昇や、身体が暑さに慣れていない時期にかかる方がとても多いのです。
<熱中症になりやすい環境>
家の中でじっとしていても、室温や湿度の高い状態だと熱中症にかかることもあります。実は約37%の方が室内での熱中症を発症していると言われています。室内型熱中症は現在とても多く注意が必要です。
熱中症は気付かないうちに重症化している事が多く、身体の異変が起こった時にはすでに意識が無くなるような重症状態におちいることがあります。症状は時間を追うごとに変化していきます。ここで初期症状から重症になるまでの症状の変化をご紹介します。
めまいやたちくらみ、顔のほてりなどの症状が出たら、熱中症の初期症状です。一時的に意識が遠のく、腹痛などの症状が出る場合もあります。
筋肉痛が起こり、手足のしびれ、「こむら返り」と呼ばれる、手足の筋肉がつるなどの症状が起こります。筋肉がピクピクと痙攣したり、硬くなったりすることもあります。これは大量の汗をかくと、体内から水分だけでなく塩分(ナトリウムや塩素)も失われます。このとき、水分だけをとると血液中の塩分濃度が下がり、手足の筋肉の収縮を起こし、熱痙攣が生じます。これは汗をかかずに体に熱がたまった状態でも起こるので、汗がまったく出ていない状態の時も注意しましょう。
全身の倦怠感や、ぐったりと力が入らない脱力状態となります。吐き気や嘔吐、頭痛などの症状がおきる場合もあります。この症状が起きると熱中症の中等症です。意識障害がある場合は病院への搬送が必要です。意識が朦朧としているのであれば迷わず医療機関を受診しましょう。
汗が異常に出て、ふいてもふいても汗が止まらない、もしくは逆に全く汗をかかない状態など、汗のかきかたに異常がある場合には、熱中症にかかっている危険性があります。同時に脱水症状を引き起こしやすいので、症状がより悪化しやすい状態ですので注意が必要です。
体温が高く、皮膚を触るととても熱い状態、皮膚が赤く乾いているなどの症状が出ている状態です。熱が身体にこもって発散できない状態です。これが続くと全身の痛みや意識の変化が起きやすくなります。
声を掛けても反応がなかったり、意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない状態)がおこったり、ショック状態になる場合もあります。または、身体がガクガクとひきつけを起こす、まっすぐ歩けないなどの異常がある時は、重度の熱中症にかかっている状態です。すぐに医療機関を受診するか、意識障害が起こっている時は救急車を呼びましょう。
呼びかけに反応しない、意識が無い状態の場合など、自分で水分補給が出来ない場合は大変危険な状態です。すぐに救急車を呼びましょう。
熱中症は時間の経過とともに症状がどんどん変化していきます。熱中症にかかった時の応急処置には正しい知識と、素早い対応が必要です。自分が熱中症になった時や、周りの方に症状が出たときはすぐに応急処置が出来るようにその方法をご紹介します。
ここで大切なのは「塩分の含まれた飲み物」を必ず摂取することです。大量の汗をかくと、体内の水分とともに塩分やミネラルも一緒に奪われてしまいます。そこに水分補給のみだと、血液中の塩分・ミネラル濃度が薄まり、体内に必要な分が少なくなり、足りないと信号を出すので逆に熱中症の症状が悪化したり、それまで出ていなかった様々な症状が出てしまったりする危険性があります。
まずは熱中症にならない為に日頃から気を付けて生活をしていきましょう。
日頃から気温や湿度のチェックをする、外出する時は冷却グッズを身に付けるなどの工夫で熱中症は防ぐことが出来ます。熱中症はどんな時でも誰でも発症しやすいものです。自分は大丈夫と思わずに、しっかりと対策を行い、熱中症予防をしましょう。また熱中症は命に係わる危険な症状です。少しでも異変に気付いた時は迷わずに医療機関へ行くことをおすすめします。正しい知識を身に付けてしっかりと対応できるようにしましょう。