生理前になると、続出する肌トラブル。毎月毎月、訪れるこの不調に「スキンケアはちゃんとやっているのに」と、頭を悩ませているとしたら……それは女性ホルモンによる影響かも。妊娠や出産に適した体をつくる女性ホルモンですが、その働きは肌や髪、ボディ、心まで関わっています。だからこそ肌や髪を美しくするのなら、女性ホルモンの分泌周期をきちんと知っておくことが大切です。また普段から「気分が落ち込みやすい」「感情が不安定になりやすい」場合はホルモンバランスが乱れている証拠かも。そんな美容にもメンタルにも影響する女性ホルモンを整えれて、効率よく効果的に自分磨きする方法をご紹介します。
そもそもホルモンとは、脳などの指令を受けて分泌される化学物質のこと。体の様々な機能を調節する役目があり、体内には100種類以上ものホルモンが分泌されています。その中でも卵巣から分泌される「エストロゲン」と「プロゲステロン」が女性ホルモンです。女性ホルモンは月経や妊娠、出産をつかさどって「妊娠しやすい体をつくる」ことと「妊娠から出産までを守る」ことを役割とし、心身の健康と美容に大きな影響を及ぼします。
これら2つの女性ホルモンは常に一定のサイクルで分泌され、約1ヶ月の周期で変動しています。そして、実は一生のうちに分泌される女性ホルモンの量は、ティースプーン1杯のみとごく微量。これは健康な人の思春期から閉経まで分泌される総量なので、食生活や生活習慣が乱れていると、分泌量はもっと減ってしまうことに……。ただでさえ希少な女性ホルモンだからこそ、分泌低下を引き起こす非美容的ライフスタイルは改善するのが大切です。
女性ホルモンを分泌させる指令を出している脳の視床下部。ここはストレスの影響を強く受けてしまう場所でもあります。そのため、ストレスを感じると、女性ホルモンが乱れやすくなります。また、無理なダイエットによる栄養不足や睡眠不足、不規則な生活も要注意。これらの異常を脳が感知すると、「今は妊娠する余裕はない」と美容ホルモンであるエストロゲンの分泌を止めてしまうからです。その結果、生理周期が乱れたり、PMSが悪化したり、抜け毛や肌荒れ、冷え性、うつ、不安症などを引き起こしてしまいます。
「夜更しした」「偏った食生活を送った」などの理由がなく、吹き出物ができやすかったり、乾燥しやすかったりする肌トラブルは、女性ホルモンの周期を関係していることがほとんど。女性ホルモンと肌、そしてメンタルは密接な関係であり、女性ホルモンの周期に合わせてそれぞれのコンディションも変化しています。だからこそ、周期の状態に合わせた肌ケア、メンタルケアを行うことが重要です。
どんな美容液よりも肌を美しくしてくれる、女性ホルモンの存在。そんな女性ホルモンを乱れさせることなく、整えるためには食生活や生活習慣を見直すことが大前提。そのうえで、女性ホルモンの働きをサポートするために積極的に摂り入れたいのが「大豆イソフラボン」です。女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをしてくれる大豆イソフラボンは、その名の通り、大豆製品に含まれている成分であり、大豆水煮や納豆、きな粉、絹ごし豆腐、豆乳、おから、厚揚げなどが代表的です。なるべく豆乳や納豆などの調理せずに食べられるものを優先すると、効率的に大豆イソフラボンを摂取することができます。ただし、普段大豆製品を食べる習慣がない人は、食スタイルを変えるのは意外と大変なもの。そこで牛乳を豆乳に変えたり、肉を豆腐や厚揚げなどに変えたりと、代替え食材として活用するのが簡単で取り入れやすくおすすめです。
大豆イソフラボンの他にも、ビタミンB6やビタミンEなども、女性ホルモンの分泌を整えるためにぜひ取り入れたい栄養素。ビタミンB6はエストロゲンをサポートしたり、ホルモンバランスを整える効果があります。またPMSの緩和にも効果があるといわれている優秀な成分。肉類や魚介類、卵、バナナ、にんにくなどのビタミンB6を豊富に含む食材を積極的に使うようにしましょう。
そして抗酸化ビタミンともいわれているビタミンEは、ホルモンバランスの調整をはじめ、更年期障害の症状緩和にも効果的などさまざまな働きをしてくれるビタミン。代表的な食材は、アーモンドやかぼちゃ、抹茶、アボカド、たらこなどで、普段の食事にも取り入れやすいものばかり。大豆イソフラボン、ビタミンB6の食材と一緒に摂ることで、体の中から女性ホルモン体質をつくることができます。
美容にもメンタルにも影響する女性ホルモンを整えれば、効率よく効果的に自分磨きができます。またサイクルを知ってそれに合ったスキンケアを行うだけでも、肌育効果は段違い。女性ホルモンを活用したスキンケア習慣で、効率的かつ効果的に美肌を手に入れましょう。