紫外線の放射量は3月あたりから増え始め、8~9月にはピークを迎えます。つまり、この時期にはいつも以上に念入りに日焼け対策をする必要があるということですが、実は海や山、街と、過ごす場所によって日焼け対策を使い分ける必要があるのです。こちらの記事では、場所別日焼け対策をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
過ごす場所はどうあれ、日焼け止めグッズを使用しておけば紫外線をブロックできそうな気がしますよね?もちろんそれも間違いではないのですが、場所によって日焼け対策を使い分けないと、日焼け対策をしていたのに日焼けして驚くことがあるのです。それではまず、その理由について考えてみましょう。
海、山、街中でもっとも太陽に近い場所、それは高い山ですよね?太陽に近いということは、それだけ紫外線の影響を受けやすいということで、それに対応できるだけの紫外線対策が必要になります。一説によると、標高が1000m高くなると、お肌が受ける紫外線の量が10%程度アップするといわれています。つまり、高い山にお出かけの際には、街中で過ごすとき以上に入念な日焼け対策が必要になるということですね。
紫外線はいろいろなものに反射する性質を持っていますが、それぞれの物質によって紫外線の反射率が異なります。たとえば、夏山の木々や草、土などは紫外線が反射したとしても10%以下といわれていますが、雪が積もった冬山の場合では約80%にも上るといわれています。また、海の水面や砂浜ではおよそ10~20%紫外線が反射するといわれていますし、街中のアスファルトでは10%程度と、場所によって紫外線の反射率が異なるのです。このように、過ごす場所によって紫外線の反射率には幅がありますので、それに合わせた日焼け対策が必要になるということです。
街中は山や海よりも紫外線のリスクにさらされにくいようなイメージがあるかもしれません。特に紫外線を遮断するような建物などが多い都市部では、そのような遮断物によって紫外線の影響を受けにくいと考えることがあるでしょう。しかし、都市部には窓ガラスや金属製のオブジェなど、紫外線を反射するものがたくさん存在しているため、油断はできないのです。
日焼け対策として用いられることが多いのが日焼け止めクリームジェル、スプレーなどでしょう。これらはお出かけ前にサッと使用できますし、携帯もできるスグレモノです。しかし、これらはどれも同じではなく、製品によって日焼け止め効果の持続時間やレベルに違いがあるのです。それではここで、日焼け止めに記載されているSPFとPAについてザックリと説明しておくことにします。
日焼け止めのパッケージを確認してみると、「SPF20」「SPF30」といった文字が記載されています。
SPFとは「Sun Protection Factor」の略で、日焼け止めを塗ってからの効果の持続時間を示しており、紫外線B波の対策となる数値です。紫外線に当たってから日焼けが始まるまでの時間には個人差がありますが、ここではSPF20の日焼け止めを使用した場合で考えてみましょう。20という数字は、日焼けスピードを20倍遅らせることを意味しています。たとえば10分で日焼けをする人の場合では、10分×20倍で、200分後から、20分後から日焼けが始まる人の場合では20分×20倍で、400分後から日焼けが始まるということになります。
これはあくまでも目安ですが、早朝から登山を開始して長時間山の上で過ごす場合では、登山時間を計算して日焼け止めを使用しないと、日焼けして困ることになりかねないのです。つまり、日焼け止めを使用する際には、実際に紫外線に当たる時間がどれくらいになるのかを、あらかじめ計算しておく必要があるということですね。
PAは「Protection Grade of UVA」の略で、紫外線A波に対するブロック効果を示しています。PAは数値ではなく+で表され、PA1~PA4の4段階、表記はPA+、PA++、PA+++、PA++++となっています。PAはプラスの数が多いほど紫外線A波のブロック効果が高いとされていますので、夏に限らず1年中紫外線に当たる機会が多い方は、+の数が多い日焼け止めを選ぶと良いでしょう。
それでは次に、海、山、街中といった場所別の日焼け対策についてご紹介していきます。
海は、上から照りつける太陽だけでなく、水面や砂からの紫外線反射が多い場所のため、念入りな日焼け対策が必要になります。そのためにはまず、日焼け止めだけではなく以下のグッズを用意しておきましょう。
・パラソル
・ロングTシャツやラッシュガード
・サングラス
・帽子
これらを用意しておけば、海から上がってからすぐに日焼け対策を行えます。また、海ではウォータープルーフタイプでSPF20以上、PA++++を使用するのが理想ですが、問題は海に入ると日焼け止めが落ちやすくなるということです。これを防ぐためには、ウォータープルーフタイプの日焼け止めを塗ったあとに、ウォータープルーフタイプのファンデーションを重ね付けする方法がおすすめです。それでも1回海に入れば日焼け止めが落ちますので、なるべくこまめに塗り直し、日焼けを防ぐことが大切です。その際には、体の水分をきれいに拭き摂ってから行うと、ムラなくきれいに塗れますよ。
なお、海や海洋生物に悪影響を及ぼしにくい日焼け止めも販売されていますので、海や海洋生活を守るためにも、できるだけそのようなタイプの日焼け止めを選ぶことをおすすめします。
基本的な日焼け対策として行っておくべきなのは、日焼け止めクリームやジェルなどの使用です。そして、ここで注意していただきたいのが、高い山は思いのほか紫外線の影響を受けやすく、油断しているとすぐに日焼けしやすいという点です。おまけに登山では汗をかきやすいため、ウォータープルーフタイプでSPF20以上、PA++++がおすすめです。また、塗り忘れが起こりやすいのが耳の後ろや首ですので、これらの部位にもまんべんなく日焼け止めを塗っておきましょう。ただし、長時間山の上にいて日焼け止めを塗り直す時間をとれない可能性があるときには、あらかじめロングタイプの日焼け用手袋やネックカバーなど持参し、適宜使用すると良いでしょう。
最近では、登山の日焼け対策に対応したロングスリーブシャツが販売されていますので、このような製品を利用するという方法もおすすめです。さらに、頭皮や目の日焼け対策も必要ですので、帽子や透明のUVカット対応サングラスで頭皮や目の日焼け対策もあわせて行っておきましょう。
街中では、アスファルトをはじめとするあらゆる物体から紫外線が乱反射していますので、日焼け止めは必須です。その上で、帽子やロングタイプの手袋、ネックカバーなどで日焼け対策を行いましょう。また、日傘を愛用している方の場合では「日傘があれば大丈夫」と油断してしまいがちですが、日傘だけでは全身のカバーは難しいため、最低限日焼け止めだけは塗っておきましょう。
そして見落とす可能性があるのが足です。それは、足はアスファルトから近く、アスファルトから反射する紫外線の影響を受けやすいからです。スカートスタイルで足が露出している方はもとより、パンツスタイルで足が隠れている方でも、足先は常に無防備になりがち。つまり、足も顔や首、腕などと同様に、日焼け止めで日焼け対策しておく必要があるということですね。
また、インターネットショッピングでは、UVカット効果を期待できるストッキングが販売されていますので、外出用にこういったストッキングを用意しておくと便利でしょう。
日焼け止めを塗った当日には、シャワーやお風呂で日焼け止めをきちんと落としたあと、保湿ケアを行ってください。特にウォータープルーフタイプの場合ではクレンジングが必要になることもありますので、製品の使用説明書に目を通して、適切な方法で落としておきましょう。それをしておかないと肌荒れが起こるリスクが高まりますので、日焼け止めをきちんと落とす+保湿ケアは、日焼け止めを塗った当日中に行うように注意してくださいね。