「腸内環境」や「善玉菌」「悪玉菌」って何?
―と聞かれて、正確に答えられる人がどれほどいるでしょう。
なんとなく美容と健康に関係があるということはわかっても、詳しくは知らないのが普通ですよね。
しかし、腸内環境は美容や健康に関係があるどころか、直接的に大きなカギを握っています。
ダイエットにも非常に大きなポイントだと言えますよ。
この記事では、腸内環境がどのように私たちの美容と健康に影響を与えているのか、さらに、腸内環境を改善するにはどうすれば良いかを詳しくお話しします。
腸内環境を整えて、美しいボディとハツラツとした毎日を手に入れましょう!
まずは、腸内環境を理解するために重要な、以下の3つについて説明します。
1. 腸の2つの働き
2. 腸内細菌のバランスが大切
3. 腸内環境が体に与える影響
では、1つひとつお話ししましょう。
腸には2つの大きな働きがあります。
まず1つめは、食べた物の最終消化と腸内細菌による分解、吸収や排せつです。
そしてもう1つの働きは、外部から侵入する細菌やウィルスなどから体を守るための、免疫機能です。
実は、体の免疫機能のうち60%は腸管に存在しています。
腸内細菌のバランスが良いほど腸管の免疫機能は発達することが、研究によって明らかにされているのです。
腸内細菌には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌(中間の菌)が存在し、3種の菌がバランスを保つことで、腸内環境が保たれています。
腸内細菌のうちで最も多いのは日和見菌で、次に善玉菌、最も少数なのが悪玉菌です。
これらの菌は複雑にバランスを取っており、バランスが崩れると、様々な体の不調を引き起こす原因になります。
腸内環境が悪くなると、まず不調として現れるのが、便秘や下痢です。
悪玉菌が優勢になってくると便が大腸で滞るため、悪玉菌が排出する毒性物質によって腸管が麻痺して、便秘を引き起こします。
また、悪玉菌の出す毒性物質を早く排出しようと腸が活発に動きすぎて、水分が充分に吸収されず、下痢になる場合もあるでしょう。
消化吸収が正常に行われなくなると、代謝が落ちるため、痩せにくく太りやすい体になります。
また、悪玉菌が排出する毒性物質が血管を通って吸収され、ニキビや肌荒れの原因にもなるでしょう。
さらに腸内環境が悪くなると腸が果たしていた免疫機能も低下します。
免疫機能が低下すると、病原菌やウィルスにも感染しやすくなるので、風邪やインフルエンザなどにも感染しやすくなります。
また、癌や糖尿病などの生活習慣病にもかかりやすくなると言えるでしょう。
ここまで、腸内環境のバランスの大切さや、腸内環境が健康に与える影響について説明しました。
では、腸内環境を改善するとどんないい事があるのでしょうか。
腸内環境が改善されることで、以下の5つの効果が期待できます。
1. 便秘や下痢、臭いおならが解消される
2. 肌がきれいになる
3. 太りにくく痩せやすくなる
4. 免疫力がアップする
5. ストレスに強くなる
それでは、チェックしていきましょう。
腸内環境が改善されて善玉菌が優勢になると、便秘や下痢が解消されます。
大腸内に滞っていた便が排出されることで、腸が正常に蠕動運動を行うようになるからです。
また、腸内に老廃物が溜まっていると臭いおならの原因にもなります。
おならの臭いが気になっていた人は、おならの悩みからも解消されますよ。
腸に溜まった老廃物が出した毒素は血管を通して体内に吸収されるため、吹き出物や肌荒れの原因になります。
老廃物が正常に排出されるようになると、吹き出物や肌荒れが解消されて、きれいな肌に生まれ変わるでしょう。
腸内環境が悪いと、脂肪燃焼に必要なビタミンやミネラルをしっかり吸収できないため、代謝が落ちて脂肪を蓄積しやすくなります。
腸内環境を改善することで、太りにくくて痩せやすい体質に改善することができるでしょう。
腸内で善玉菌が優勢になると、免疫機能が正常に働きだします。
病原菌やウィルスによる感染予防はもちろん、花粉やダニなどにも反応しにくくなり、アレルギー症状の緩和にもつながるでしょう。
ストレスが加わると消化機能が低下して、悪玉菌が優勢になることが研究でわかっています。
ストレスをため込まないことが理想ですが、現実的にはなかなか難しいと言えますね。
ストレスの多い現代社会だからこそ、腸内環境を整えて善玉菌を優勢にしておくことで、ストレスに強い体を作ることができるのです。
ここまで、腸内環境改善で期待できる効果についてお話ししました。
「では、腸内環境ってどうすれば改善できるの?」って思いますよね。
では次に、腸内環境を改善する方法について解説します。
腸内環境を改善するには、食生活からと、生活習慣からの2つのアプローチが必要になります。
では、1つずつお話しして行きましょう。
食生活の見直しで腸内環境を改善するには、善玉菌の餌になる食物繊維や、善玉菌そのものを摂取する必要があります。
摂取したいのは以下の3種の食品です。
それぞれに該当する食品を表したのが、下の表になります。
食品の種類 | 食品名 |
---|---|
水溶性食物繊維 | ごぼう、らっきょう、わかめ、こんぶ、大麦、キウイ、パパイヤなど |
不溶性食物繊維 | 切り干し大根、かぼちゃ、モロヘイヤ、しいたけ、きくらげ、大豆、いんげんなど |
善玉菌そのもの | 味噌、ヨーグルト、チーズ、納豆、キムチ、ぬか漬けなど |
善玉菌の餌になる食物繊維を摂ることで、善玉菌を増やす効果があります。
しかし、腸内にどれほどの善玉菌がいるのかはわかりませんね。
そのため、善玉菌そのものである、味噌やヨーグルト、チーズなどの発酵食品を一緒に摂取すると、さらに効果的だと言えます。
腸内環境を整えるには、善玉菌を増やす食品を摂取するとともに、腸を整えるための生活習慣も大切です。
1. 適度な運動を行う:筋肉の動きや腸の振動が腸内に適度な刺激を与えて便通を促進する
2. 十分な睡眠を取る:朝の起床時に、便をS字結腸まで送る
3. 規則正しい食事:排便のリズムが整う
以上の3つのポイントに気を付けて、腸内環境を整える生活習慣を心掛けましょう。
今回の記事では、腸内環境の改善にスポットをあてて、美容と健康について考えてみました。
腸は脳に次いで多くの神経細胞が存在し、第二の脳とも呼ばれています。
腸の不調は体全体の不調に直結し、美容や健康に悪影響を及ぼすのです。
腸内の善玉菌を増やす食事や生活習慣を心掛けることで、健康で美しい体を保ちましょう!