いよいよ薄着の季節が到来。となると、すっきり体形を目指していざ、ダイエット!と奮起したくなりますよね。
ただ、せっかく取り組んでもなかなか痩せないと、極端に食事の量を減らしたり、その反対に〝体質のせいだから〟と諦めたりする方もいらっしゃいます。
そんなときに知っていただきたいのが、腸活は痩せ体質にしてくれる、ということ。
腸内環境が整うと美容と健康にとどまらず、ダイエットにも効果的といわれますが、そのカギを握るのが「痩せ菌」なんです。
これから一石二鳥以上のメリットのある腸活と、〝痩せ菌〟を増やす方法についてご紹介しましょう。
食べたものを消化吸収して、老廃物を排泄したりするのが腸。この腸内には体に良い影響をもたらす善玉菌と、悪い影響をもたらす悪玉菌、そしてそのどちらにも傾く日和見菌(ひよりみきん)が存在します。
腸にはなんと100兆個もの細菌が棲みついて、「腸内フローラ」というグループを形成しているということです。
私たちの美容や健康、メンタルにも関わってくるのがこの腸内環境。それを整えるよう努力するのが腸活です。
免疫細胞の約7割近くは腸にあるといわれます。さらに幸福ホルモンと呼ばれるセトロニンや、ドーパミンなどを作られるのも腸。特に安眠に関係するセロトニンは、95%が腸で作られます。
このように腸は、体と心をコントロールしている重要な場所。腸活して腸内環境を良くすることは、美肌やダイエット、アレルギーや風邪予防、睡眠改善などなど…。健康にも美容にも嬉しいメリットがたくさんあるのです。
20代の頃はちょっとの食事制限で痩せたとしても、年齢と共に筋肉が減って太りやすい体質になっていると、なかなか体重は落ちず、リバウンドしがちなもの。
そんな時は、痩せやすい体質をつくることに意識を向けてみましょう。
それには「腸内環境を整える」、つまり腸活して痩せ菌を増やすことに注目。腸内で「痩せ菌」を育てれば、痩せやすい体質になれますよ。
「痩せ菌」は、アメリカの生物学者が行ったマウス実験で知られるようになりました。
痩せたマウスに、太ったマウスの腸内細菌を移植したら、それまでと同量のエサでも太ったという結果が出たのです。
そして太ったマウスは、バクテロイデス系の菌やビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌などの善玉菌が少ないことが判明。つまり、これらの善玉菌が「痩せ菌」の正体といえそうですね。
腸内で痩せ菌を育てていくためには、ビフィズス菌、酪酸菌、乳酸菌などの善玉菌を積極的に増やすことがポイント。
善玉菌が増えれば、腸内環境が正常になって、次のような痩せるメカニズムもしっかり働きますよ。
善玉菌(痩せ菌)が多いと、食べたものがしっかり消化吸収でき、脂肪や添加物などの体に悪い老廃物をスムーズに排出します。
そのため、余分な脂肪が溜まるのを防いで、肥満の予防にも働きます。
便秘で脂肪や老廃物が排出されないと、腸内で悪玉菌が増え、むくみや血行不良につながって、ダイエットの障害になってしまいます。
体にとって良い働きをする善玉菌が増えると、これら一連の悪影響もなくなって、痩せやすい体質づくりをサポートしてくれます。
腸での消化吸収が上手くいくと、肝臓に負担がかからないので代謝も上がっていきます。
体は代謝によって、糖や脂肪がエネルギーへ変わりますから、腸活して代謝機能が良くなると、どんどん糖や脂肪が燃焼して、痩せやすい体質になっていきます。
腸内細菌は、食品添加物を摂りすぎるとバランスが乱れる可能性があります。
特に、お菓子に含まれている乳化剤は腸内で炎症を起こし、保存料は腸内の善玉菌を減らしてしまうことがあるので、添加物の多いインスタント食や加工品は減らしていきましょう。
腸活でおすすめは、朝起きてコップ1杯の水を飲むことと良くいわれます。これは、便の排出を促す腸の蠕動(ぜんどう)運動が起こりやすくするためです。
また水分不足は便秘の元にもなりますし、朝起きてすぐ飲む水で大腸を刺激できれば、便秘解消に効果があります。
また腸は何も食べていないときに、ぜん動運動をしますから、ちゃんと空腹の時間を作りましょう。夕飯後10時間ほどは、何も食べずに休ませるのが理想的です。
アルコールは腸管を刺激して腸内環境を悪くするので、大量摂取はあまりおすすめできません。
軽く飲むのであれば、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒、ワインやシャンパン、焼酎、韓国の発酵酒マッコリなどでグラス1~2杯ぐらいにしましょう。
腸内環境を整えるには、食べ物の組み合わせもポイントです。
例えば、ビフィズス菌や乳酸菌などを含む発酵食品には、そのエサとなって善玉菌を育ててくれる食物繊維やオリゴ糖も一緒に摂るというように。
次にそれぞれにどんな食べ物があるのか紹介していきますので、 腸活メニューの参考にしてみてください。
発酵食品としては、みそや納豆、ぬか漬け、キムチ、チーズ、ヨーグルト、醤油や酢、塩麹、甘酒などがあります。
これらの食べ物は、健康に良い菌を腸に直接届けられ、さらに育てる働きを持っています。また腸の免疫細胞が活性化されるので、免疫力もアップします。
まずは、これらの体に良い菌を取り入れて、善玉菌を増やしていきましょう。
食物繊維は、善玉菌のエサとなってくれるので、腸の動きが活発になり肥満や便秘の解消が期待できます。
食物繊維には、水に溶ける「水溶性」と、水に溶けにくい「不溶性」があります。
水溶性食物繊維は、フルーツ、山芋、オクラ、モロヘイヤなどのネバネバ野菜。ごぼうやかぼちゃ、芋、豆類、大麦やライ麦の麦類のほか、昆布やワカメ、ヒジキなどの海藻類があります。
不溶性食物繊維は、ジャガイモ、にんじん、キノコ類、大豆、小麦ふすま、穀類に含まれます。
食物繊維は水に溶けず腸で膨張するので、腹持ちがよく、ゆっくり消化されるので、食べ過ぎ防止になり、小腸で糖質や脂質を吸収してくれます。
食物繊維と同様に、善玉菌の栄養となってこれを増やすとされる成分です。
糖アルコールが含まれる食べ物は、イチゴ、キノコ類、りんご、梨。オリゴ糖は、バナナ、アボカド、アスパラガス、ブロッコリー、ごぼう、ニンニク、玉ねぎといった食品に多く含まれているので、これらの食材を積極的にとりたいですね。
ちなみに、バナナ入りヨーグルトや、塩こうじをドレッシングに加えた、アスパラガスやブロッコリーのサラダなどは、オリゴ糖と乳酸菌がともに摂れる組み合わせといえます。
いつもの食事も、ちょっと腸活を意識してみると痩せやすい体質にスイッチしていけるので、ぜひ実践してみてくださいね。
「甘いおやつ、やめられない」、「パスタやパンが大好き」「野菜嫌いで食物繊維が不足」という方は、腸内環境が悪化して太りやすくなっているといえます。
摂った食べ物をエネルギーに変えて、痩せやすい体質になるには、腸内環境を整えることがマスト。そんな点から、これまで腸活についてお伝えしてきました。
善玉菌を増やすような食習慣を続ければ、極端な食事制限や運動をしなくても、自然に適切にダイエットできます。それを忘れずにキレイになれる腸活に励んでいきましょう。