ゴールデンウィークの頃は爽やかで、ずっとこんな気候だったらいいのにと思っても、次に訪れるのはジメジメと、うっとうしい梅雨。
まとわりつく湿気だけでも不快なのに、洗濯ものは部屋干しで、乾燥器を使えば電気代も掛かかるし、なにかとイライラしがちな季節がやってきます。
しかも、この梅雨時は気分だけでなく、体調を崩す方も非常に多くなるといいます。その原因は、主に自律神経の乱れによるもの。
だるい、なんかスッキリしないという方が増えるこの時期、今から対策を考えながら、来るべき梅雨に備えましょう!
自律神経の乱れといっても、はっきりしたイメージがわかないことも事実ですよね。
人は、朝に起きて活動し、夜は眠るというリズムを持っています。このリズムを調節しているのが自律神経です。
そして自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成っていて、交感神経は、昼間に活発になり、仕事や勉学、筋肉を動かしたりする際に働きます。
副交感神経は夜になると優位になり、くつろいでいる時や食事、主に休息中に働く神経です。
このどちらかに偏ったままの状態を、自律神経が乱れているといいます。
心身を安定させ、肌を美しく保つためにも、自律神経が整っていることはとても重要ですが、気候や生活環境に敏感で、乱れやすいともいえるのです。
ですから長雨や気圧の低下が続く梅雨に、イライラしたり、様々な不調が現れたりします。
余分な水分が入ると、体が冷え血液循環が悪くなります。高温多湿な梅雨時は、湿気が体に入りやすく、冷えることで血流が滞るとともに、自律神経のバランスも崩れます。
それがだるさ、気分の落ち込み、イライラなどの負の連鎖を生みだします。
では、このような症状が何によって起こるのかを見ていきましょう。
梅雨は比較的温度は高めで、湿度が高いですが、そうかと思うと急に気温が下がって、肌寒くなる日もあります。
この湿気の高さと気温差が自律神経を乱すので、頭が重い、頭痛がする、関節や古傷の痛みなど体調不良を訴える人が多くなります。
体に余分な水分が溜まると、胃腸を弱らせます。東洋医学ではこれを「湿邪」といい、湿気が体に入り滞ると、様々な不調が出るといわれています。
例えば、梅雨や夏に食欲がなく消化不良ぎみでも、湿度が下がる秋には食欲が復活、消化も良くなることからもわかるように、胃腸は湿気を嫌うというわけです。
胃や腸の働きが弱くなると、免疫力も下がり、代謝も悪くなり、ますますイライラしやすくなるといえます。
梅雨のイライラの多くは、気候的なものにプラス、春からの人間関係や仕事のプレッシャーが積み重なっていることも挙げられます。
ことあるごとに、ため息をつき始めたら、要注意。すぐにストレス改善していきましょう。
長雨や高温多湿で、自律神経が乱れた時に現れる不調は、心と体の両面に出るケースが多いといえます。そんな梅雨がもたらす不調には何があるか見ていきましょう。
倦怠感 体が重い 吐き気 肩こりや頭痛 めまい 耳鳴り 下痢や便秘 食欲不振 胃痛 むくみ 眠りが浅い 朝起きられない 関節痛・神経通 手足が冷たい
イライラが増えた やる気がでない ダラダラ過ごす 集中力の低下 何も考えたくない 人と会うのも嫌 不安や焦り
梅雨の湿度や温度、気圧などがこれだけの不調に関わってくるという事です。ここまで感じるとかなり辛く感じるはずですよ。
あらゆる内臓や血管、体温や呼吸などを調整してくれるのが自律神経。いってみれば体のコントロール機能を担っているともいえます。
そんな自律神経が乱れやすい梅雨のシーズンは、努めてバランスを整える対策を取っていきたいですね。
ここから普段の生活の中でできる、自律神経のバランスを整える対策をご紹介! ストレス改善方法にもなるので、イライラや不調を感じたら試してみてください。
人はもともと体内時計が備わっているのですが、そのリズムが崩れやすい梅雨は、晴れていたら、朝起きてまずカーテンを開け日光を浴びましょう。
光の刺激で、体内では幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが目覚めます。
セロトニンは自律神経を整える働きがあって、太陽の光を浴びることで崩れた体内時計がリセット。活動と休息の正しいリズムを取り戻せ、不眠にも効果的です。
腸内環境が悪いと、副交感神経が低下して、便秘や下痢が起こります。そうなると血管が収縮し血の巡りが悪くなり、栄養は行き届かず、水分や老廃物が溜まり体調不良に。
「朝起きてすぐコップ1杯の水を飲む」「ストレッチで腸の動きを促す」「乳酸菌や食物繊維多めに摂る」などを心がけ、腸内環境を整える習慣をつけましょう、
梅雨時は運動不足になりがちです。買い物に行く時は徒歩で、駅や会社では階段を使うなど、できる範囲で歩くことを心がけましょう。
適度な運動は、血流も良くなり代謝もアップ、セロトニンをはじめ神経伝達物質が活性化し気分爽快になれますよ。
ハードな運動よりも、散歩やウォーキング、ヨガなどがおすすめです。
お風呂のお湯にゆっくり浸かったり、寝る前に音楽を聞いたりすることは、副交感神経に切り替えるためにとてもいい方法です。
また、夕食を食べてから3時間は消化の時間にあててリラックス。そうするとだんだん副交感神経が優位になっていきます。
蒸し暑くなるとシャワーだけで済ませる方も少なくありませんが、ゆっくり湯船に浸かるメリットはたくさんあります。
36~40度ぐらいのぬるめのお湯につかると、副交感神経が優位になって緊張も解け、体の芯から温まるので、自然に質の良い睡眠に導かれます。
熱いお湯は、交感神経が活発になってしまうので注意しましょう。
良質の睡眠は、自律神経のバランスを整えます。特に22時から2時の間は、副交感神経が働いて成長ホルモンも分泌される時間帯。
疲れやお肌のダメージを癒し、細胞の修復も行われる時間なので、この時は熟睡しているようにしましょう。
それには、就寝前の30分はTV、PC、スマホを見ずに、ゆったり過ごすこと。ブルーライトはバイオリズムが乱してしまいます。また部屋の電気は消して寝る方がよいでしょう。
湿気で余分な水分が体に溜まりがちな梅雨は、水分を外へ出す食べ物を積極的に摂りたいですね。
漢方では、水の巡りを良くし排出を助ける食べ物は、豆類、海藻、瓜などといわれています。
例えば黒豆やハトムギ、キュウリ、ゴーヤ、また昆布やわかめなどには体内の水を出して、むくみを解消すると考えられています。
自律神経を整える方法として、首を温めることも効果的。太い血管が通っている首を温めると効率的に血流をアップ、冷えや疲れが改善されやすいです。
また首を温めると、副交感神経が優位になってリラックスでき、肩こり・頭痛などの緩和にもつながります。
ホットタオルや温熱シートなどで首すじ、目まわりを温めてみましょう。昼間、疲れを感じた時や、寝る30分前がおすすめですよ。
梅雨時の自律神経の乱れによる体調不良。その原因や症状、改善方法についてご紹介してきました。梅雨時の自律神経の乱れは、普段ストレスに強いと思っている方にも起こりえます。
なんだかイライラする、だるいと感じたら、自律神経のバランスを整えることも意識を向けてみましょう。
ご紹介した生活リズムを改善する方法は、ストレス解消や健康、もちろん美肌づくりにも役立つものばかり。ぜひ普段からの習慣にしてみてくださいね。