梅雨から夏にかけてのシーズンは、とても疲労が溜まりやすいと言えます。
気温の高さもさることながら、湿気の多い日本の夏は、エアコンなしではとてもしのげません。
かといって、エアコンを長時間稼働していると、手足のだるさや頭痛などを招きがちですね。
そこで今回の記事では、疲労回復のために効果的な足つぼを紹介しましょう。
足つぼマッサージには5000年もの歴史があり、最古の記録であるエジプトの壁画には、手足のつぼを押す古代人の姿が記されているそうです。
日本でも、奈良の薬師寺には1000年以上前の「仏足跡」が残っており、仏陀の足に五臓六腑の絵柄が描かれています。
長きにわたって人類と共にある足つぼマッサージは、あなたの疲労回復に大きく役立つに違いありません。
まず、疲労回復に足つぼマッサージが効果的な理由について、お話しします。
理由は以下の2つです。
1. 足裏の各部位が全身の部位に反応を起こす
2. リンパの流れや血流が良くなる
では、順に解説していきましょう。
足裏の各部位を刺激することで、全身にある連動した部位が反応を起こすため、疲労回復に効果があります。
その理由は、足裏には「反射区」というものがあり、部位ごとに体の臓器や期間と結びついているからです。
足裏にある反射区を押したり揉み解したりすることで、対応する臓器の調子を整える効果が期待できます。
足裏をほぐすことで、リンパの流れや血流を改善できるため、疲労回復に効果的です。
私たちの体の約70%は水分でできていると言われますね。
体内の水の流れが良くなることで老廃物の排出が促され、血行不良も改善されます。
リンパや血流が改善されると、便秘やむくみ、冷えにも効果的です。
代謝が良くなって体が軽くなり、疲労回復に効果が期待できると言えるでしょう。
足つぼマッサージとともに大きな効果があるのは、ふくらはぎマッサージです。
ふくらはぎは第2の心臓とも呼ばれ、下半身にたまった水分を押し上げるポンプの役目をはたしているからです。
足つぼを刺激する前には、必ずふくらはぎを揉みほぐしましょう。
ふくらはぎを柔らかくすることで、足にたまった老廃物を上手く上半身に運べるようになります。
足裏のつぼをマッサージしたら、最後にもう一度ふくらはぎを揉みほぐすと、さらに疲労回復効果がアップしますよ。
ここまで、足つぼマッサージの前後に行う、ふくらはぎマッサージについてお話ししました。
では次に、疲労回復に効果的な、5つの足つぼを紹介します。
紹介するつぼの名称と、各部位の効果は、以下の通りです。
1. 湧泉(ゆうせん):足の疲れ・冷え・ほてり
2. 足臨泣(あしりんきゅう):肩こり・頭痛
3. 大敦(たいとん):ストレス・イライラ
4. 大都(だいと):食欲不振・胃腸の不調
5. 行間(こうかん):目の疲れ・高血圧
足つぼマッサージは気になるヶ所だけ刺激するのではなく、足裏全体をさわってその日の状態を知ることが大切です。
全体の調子を確認した上で、気になった箇所をじっくりと揉みほぐしましょう。
湧泉とは、足指をグーするように前方に強く曲げた時に、凹む部分になります。
湧泉は気力や体力を高める「万能のつぼ」とも呼ばれ、足つぼでは特に重要なつぼです。
足筋肉の疲労回復はもちろん、冷え性やほてりにも効果的ですよ。
湧泉を押す際には、両手の親指で3秒間押して緩めるという動作を、数回繰り返しましょう。
足裏がじんわりと温まってくるのがわかりますよ。
足臨泣は、足の甲の薬指と小指の付け根の間に位置し、首の横から肩のこりや、頭痛に効果的なつぼです。
足臨泣の押し方は、手の人差し指を使って、クルクルとこねるように回しながら圧します。
力の強さとしては、いた気持ちいい程度が良いとされます。
大敦は、足の親指の爪の根元で、足の人差し指側の箇所です。
イライラや気持ちの高ぶりといった、ストレス症状を抑えるのに効果的なつぼになります。
反射区としては肝臓にあたるため、二日酔いにも効果的。
お酒を飲む前にほぐしておくと、二日酔いになりにくいという効果もあります。
大敦の押し方は、親指を両側から挟んで強く押さえては緩める動作を1分程度おこないましょう。
大都とは、足の親指を曲げた時にできるシワの親指に近い側にできるシワの部分です。
食欲不振や胃腸の不調に効果があるつぼで、大都に灸をすえることで、手足の冷えにも効果が期待できます。
大都を押す際は、親指の先を使って強めに押しましょう。
大都を刺激すると、花粉症にも効果的です。
8月~10月あたりにもアレルギーを起こす植物があるので、風邪ではないのにクシャミが激しい、のどのいがらっぽさを感じるといった場合に、試してみてくださいね。
行間とは、足の親指と付け根の間で、足の甲側になります。
目の疲れや頭痛、高血圧にも効果的なつぼで、パソコンやスマホを長時間操作した時におすすめのつぼです。
行間の押し方は、手の親指の腹をつぼに当て、ゆっくりと押して離すといった動作を繰り返します。
ここまで紹介してきたように、足つぼマッサージは疲労回復に効果的ですが、行ってはいけない時もあります。
下のような時は、足つぼマッサージを控えましょう。
1. 飲酒後
2. 妊娠中
3. 食後すぐ
4. 足を怪我している時
それでは、1つひとつ確認していきます。
飲酒後の足つぼマッサージはおすすめできません。
飲酒後に足つぼマッサージを行うと、摂取したアルコールがすばやく体内を循環し、酔いが回りやすくなるからです。
同じ理由で、飲酒前の足つぼマッサージもNGです。
足つぼマッサージに限らず、飲酒前後にはマッサージ全般を控えるようにしましょう。
妊娠中の足つぼマッサージはNGだと言えます。
なぜなら、足裏には生殖器のつぼもあるからです。
生殖器に影響を及ぼすつぼを刺激することで、体調が悪化する可能性もあります。
胎児への影響も心配されるため、妊娠中の足つぼマッサージは控えましょう。
食後すぐに足つぼマッサージを行うのは、おすすめできません。
食後は、胃腸などの器官が消化活動を行っています。
足つぼマッサージを行うことで、消化器官の血液が減ると、消化を妨げられる可能性があるからです。
食後に足つぼマッサージを行う場合は、少なくとも30分程度時間をあけるようにしましょう。
足に怪我をしている時は、足つぼマッサージを控えるようにしてください。
足つぼマッサージによって血流が良くなると、患部に刺激を与え、痛みが増す危険性があるからです。
足つぼマッサージは、足の怪我が治ってからにしましょう。
足つぼマッサージは、道具を使わずにできます。
しかし、道具を使うことで楽に、さらに効果的にマッサージが行えるでしょう。
足つぼマッサージにおすすめのグッズは、以下の3点です。
1. クリームやローション
2. 反射区が書かれた靴下
3. 足裏を刺激する棒
では、順に見ていきましょう。
クリームやローションがあると、皮膚の滑りが良くなるため、気持ちよくマッサージできます。
特別なものを使用する必要はありません。
普段使っているクリームや乳液を使用して行うと良いでしょう。
足裏に対応した反射区が靴下に描かれたものが、市販されています。
本などで確認しなくても、足裏を見れば簡単に反射区がわかるため、自分でマッサージする際にはとても便利です。
ネットでも販売されているので、興味のある方は試してみられてはいかがでしょうか。
足裏を刺激する際に、指で押していると指が疲れてきますね。
そんな時は、つぼ押し専用の棒があると楽に押すことができます。
もちろんペンなどで代用するのもOKですが、100円ショップなどで手軽に購入できるので、おすすめです。
1年のうちでも、特に疲れが溜まりやすい、梅雨から夏の時期。
ここ数年は異常気象の影響なのか、気温がどんどん上昇して、かなり辛いと言えます。
たまった疲れは、足つぼマッサージでスッキリ解消しましょう。
お風呂はなるべくシャワーですまさずに、ぬるめの湯船でゆったりとからだを温めるのが良いですね。
マッサージを行うのは、お風呂の中でも入浴後でもOKです。
その日の疲れはその日のうちに、足つぼマッサージで疲労回復を図りましょう。