お肌のバリア機能という言葉を聞いたことのある方は多いでしょう。
秋も深まり、冬の足音が聞こえてきました。
冬のお肌の乾燥対策には、バリア機能を高めることが欠かせません。
この記事では、肌のバリア機能とはどういう意味なのかをお話しし、肌を守っている保湿因子について解説します。
バリア機能が低下する原因や改善方法、保湿の効果的なタイミングについても詳しくお話しするので、潤いのあるお肌を保つために、ぜひ参考にしてくださいね!
肌のバリア機能とは、肌を守るために皮膚の表面を覆っている、バリアの働きをいいます。
私たちの皮膚は、紫外線や乾燥、花粉、摩擦などの様々な刺激にさらされています。
バリア機能は、肌の表面に潤いを保つことで、それらから肌を守っているのです。
肌の潤いが十分に保たれていれば、バリア機能が正常に働くため、これらの刺激に影響されることなく、健康な肌を維持できるでしょう。
肌のバリア機能は、3種の保湿因子によって保たれています。
1. 皮脂膜
2. MMF
3. 角質細胞間脂質
以上の3つは「3大保湿因子」と呼ばれ、それぞれに異なった役割を持ちます。
では、1つひとつ見ていきましょう。
皮脂膜とは、肌の最も表面で角質層を覆う、薄い膜になります。
肌の表面の潤いは、皮脂膜によって保たれているのです。
皮脂膜は、皮脂と汗などが混ざりあってできたもので、肌表面の乾燥を防ぐ働きをもちます。
皮脂膜を適度に保つことで、しっとりとした潤いとツヤのある肌になるのです。
天然保湿因子(NMF)とは、角質層の中で水分を保持する働きを持つ因子です。
天然保湿因子の半分は、肌の潤いの元ともいわれるアミノ酸で構成されており、天然保湿因子が水分を保つことで、健康な角質層を形成しています。
角質細胞間脂質は肌の細胞と細胞の間を埋める役割をもち、細菌などの刺激物から肌を守るとともに、水分の過剰な蒸発を防ぎます。
角質細胞間脂質の主成分であるセラミドは、強い保湿力で肌トラブルを予防したり、肌の潤いを保ったりする働きを持つといわれています。
ここまで、肌のバリア機能の役割についてお話ししてきました。
では、バリア機能が低下すると、肌はどうなるのでしょうか?
主な症状としては、以下のようなものがあります。
バリア機能が低下すると肌が乾燥して、刺激に弱くなります。
さらに、肌の表面から細菌などが入り込みやすくなるため、吹き出物などの原因にもなるでしょう。
次に、バリア機能はどのような原因で低下してしまうのか、お話しします。
バリア機能が低下する原因は様々です。
たとえば、以下のようなものが考えられるでしょう。
紫外線が肌に当たることによって発生する活性酸素は、皮膚の老化を招きます。
エアコンなどによる乾燥は、肌のバリア機能を低下させる大きな原因です。
加齢やストレス、間違ったスキンケアなど…
肌のバリア機能を低下させてしまう原因は、数多くあるといえるでしょう。
前章では、バリア機能を低下させる原因についてお話ししました。
では、バリア機能を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?
肌のバリア機能が低下してしまう原因に共通しているのは、ターンオーバーの乱れです。
本来の肌はたとえ紫外線で傷んでしまっても、周期的に古い角質層が剥がれ落ちて新しい皮膚に生まれ変わるため、自然に再生するといえます。
バリア機能を高めるためには、肌の再生力を高めて、ターンオーバーを整える必要があるといえるでしょう。
ターンオーバーを整えるには、以下の5つがポイントになります。
1. 正しい洗顔
2. 徹底した保湿
3. 紫外線対策
4. 生活習慣の改善
5. 食生活の改善
では、1つひとつお話ししていきます。
肌のバリア機能を保つためには、肌を清潔にしておく必要があります。
清潔を保つには、正しい洗顔が欠かせません。
洗顔料をそのままつけると刺激が強すぎて、肌を傷めてしまいます。
必ず、ネットや手で丁寧に泡立てましょう。
肌は摩擦に弱いので、ゴシゴシと擦らず、クルクルと小さな円を描くように優しく洗うのがコツです。
洗った後は37度程度のぬるま湯で、丁寧にすすぎましょう。
熱すぎるお湯は肌の乾燥を招くので、お湯の温度には特に注意してくださいね。
フェイスラインやアゴ、額には泡が残りやすいため丁寧にすすぎ、清潔なタオルで押しあてるように、優しく水滴を取りましょう。
乾燥対策のための保湿は、お肌のバリア機能を高めるために欠かせません。
保湿の際は、化粧水を手のひらでそっと押し込むようにして、顔に馴染ませましょう。
化粧水は高価なものを使用する必要はありませんが、たっぷりと使うことが肝心です。
肌が乾燥して敏感になっているときは、敏感肌用の化粧水が良いでしょう。
化粧水で十分保湿をした後は、必要に応じて美容液などでケアします。
化粧水によって潤った肌には美容液が浸透しやすくなるため、必ず化粧水の後で使用することが大切です。
最後に、潤いが逃げないように乳液や保湿クリームでフタをします。
乾燥肌などでバリア機能の低下を感じる時は、保湿クリームの方が良いでしょう。
バリア機能の維持に、紫外線対策は非常に重要です。
紫外線は夏だけのものではありません。
冬のお肌にも紫外線は降り注いでいるのです。
紫外線対策は、季節に関わらず行うようにしましょう。
また、屋内でも紫外線は降り注いでいるため、軽めのUVクリームを常に使用することをおすすめします。
生活習慣の改善は、バリア機能の保持に欠かせません。
特に、良質な睡眠をとることは重要です。
なぜなら、睡眠中に成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーが行われるからです。
成長ホルモンが十分に分泌されるように、夜は遅くても12時までには床につくようにしましょう。
朝はしっかりと朝日を浴びて、適度な運動を行うことも大切です。
メリハリのある生活が、健康的な肌を保つためにも重要だといえます。
ターンオーバーを促すには、バランスの取れた栄養を摂ることが大切です。
肉や魚、卵などの良質なたんぱく質を摂るように心がけましょう。
さらに、緑黄色野菜は、活性酸素を排出して肌の老化を防ぐ効果があります。
また、食物繊維をしっかりと摂ることで、便秘や肌荒れにも効果が期待できるでしょう。
バランスの良い食生活は、健康のためにも肌のバリア機能を保つためにも、基本になります。
肌のターンオーバーを正常化するには欠かせない保湿ケアですが「ちゃんと保湿しているのに、肌が乾燥する」という方も多いですね。
保湿ケアには効果的なタイミングがあり、タイミングを間違えると、効果が半減してしまうのです。
保湿に効果的なタイミングは、以下の条件を満たしている時です。
これらの条件を満たしているタイミングは、お風呂上りや洗顔後の、肌がまだ乾燥していない状態の時です。
たとえお風呂上りであっても、汗が引いて一息ついてからでは、すでに肌が乾燥しているため、保湿の効果が十分に得られません。
また、洗顔後であっても、洋服を着替えた後では効果が少なくなります。
理想的なタイミングは、お風呂や洗顔の後で、肌がまだ乾いていないときです。
遅くても、お風呂上りや洗顔後、3分以内には保湿するようにしましょう。
この記事では、肌のバリア機能について、詳しくお話ししました。
これから冬に入ると、暖房器具や気温の低下、冷たい風などで肌が乾燥にさらされます。
冬のお肌には乾燥対策がかかせませんね。
今回ご紹介したような、バリア機能を高める方法を実践し、寒い冬も潤いのあるツヤ肌をキープしましょう!