空気が澄んで過ごしやすい気候と裏腹に、ゆらいでしまいがちなのが秋の肌です。いつもと同じスキンケアなのに肌がごわつき、かぶれたり、突然かゆくなったり…。
最近、そんな秋肌トラブルの中でも、「かゆみ」でお悩みの方が増えているそうです。
秋から冬は、空気の乾燥で肌の水分が蒸発し、バリア機能も低下しますからちょっとした刺激も、かゆみの原因に!
紫外線や大気汚染のほかに秋の花粉など、この時期の肌は、かゆみを引き起こす環境にさらされているといえるかもしれません。
そこでこれから、秋に肌がかゆくなる理由などを解説しながら、心穏やかに過ごす秋の肌ケア、「保湿」についてお伝えしていきます。
我慢できないかゆみは、常にモヤモヤ、イライラした感情になってしまいがち。あまりに“かゆい”に囚われると、心が乱されてしまうことさえあります。
かゆいのを我慢するのは辛いもの。人前でかかないようにすると、よけいにかゆくなりますよね。でも、かきむしると炎症は広がるし、かゆいことばかりで頭が一杯になって、仕事はもちろん普段の生活もおろそかになってしまいます。
顔にかゆみがあって赤いボツボツがあったりすると、鏡を見るたび笑顔も消えてしまいますよね? メイクものらないし、気にしすぎて人と会いたくないといった気分にもなってしまうかもしれません。
顔のかゆみや炎症があると、なんとなく元気がなくなるといった、お肌の状態が心のコンディションに直結することは良くあることです。
かゆみがなくなるにつれて、囚われていた気分も消え明るい雰囲気に変わるはずですよ。
この時期になると、肌がピリついたり、ムズムズが気になったりしませんか? 大気が乾燥してくる秋は、肌トラブルが多くなるといわれていますが、それはなぜなのでしょう。
秋の肌トラブルの原因をさぐりながら、秋の肌ケア法をご説明していきます。
秋の肌トラブルの原因は大きく分けると乾燥、紫外線、花粉やダニがあります。まずはその原因から探っていきましょう。
お肌に理想的なのは、気温が25℃前後、湿度は60%〜65%といわれます。
ところが10月から気温も湿度も急に下がりはじめ、気温が20℃にならない日が増え、湿度も60%を下回ってきます。
この気候の変化が肌のうるおいを奪い、代謝のリズムが乱れて肌のバリア機能が低下を招きます。
さらに皮脂分泌も夏の半分近くまで減って、肌内部の水分を守る力も、外的刺激に対するブロック力も弱まって、かゆみなどの乾燥肌トラブルが起きやすいのです。
夏の間は紫外線から肌を守るために、お肌の角質が厚くなっています。
そんな角質は汗をかくと水分を吸って細胞が膨張し、エアコンで水分が乾くと角質の細胞は縮まります。
このように膨張と収縮を繰り返していた肌は、秋になると角質の細胞の間に隙間ができていることが多く、いつもの化粧品を使っていても刺激になる場合があります。
花粉アレルギーは春だけの症状ではありません。秋はイネ科やキク科、ブタクサなどの花粉が飛散する時期でもあり、顔がチリチリかゆくなったり、赤みを起こしたりすることがあります。
花粉を吸い込んだり、お肌に付いたりしたままだと体内に侵入し、肌のバリア機能の低下や肌荒れ、かゆみなどが起こります。
また意外にも秋はダニによる肌トラブルが増える季節でもあります。梅雨や夏に繁殖したダニが秋に死んで、その死骸によるアレルギー反応で肌がかゆくなりやすいのです。
健康な肌は、外からの刺激物が侵入するのを防ぐバリア機能が働いています。
冷たく乾燥した外気や紫外線、花粉、ウイルスの侵入を防いでいるバリア機能を支えているのが、角層の水分です。
秋の気温や湿度の変化で肌の水分量が保てないと、バリア機能が低下し、ますます肌表面のキメが乱れ、角層がめくれて刺激物が侵入しやすい状態に。
そこに花粉などが入り込んだためのアレルギー反応で、かゆみが出てしまうのです。
かゆみは、お肌の異常を知らせるサイン。かゆみの原因となる物質を知覚神経が感じて、脳へ伝えるという仕組みで起こります。
普通なら知覚神経の先は、表皮と真皮の境界あたりにあるのですが、乾燥が進んだ肌は、その神経がお肌の表面近くまで伸びています。
そのためにお肌が乾燥すると、よりかゆみを感じやすくなってしまうのです。
肌がかゆいと、かきむしりたくなりますが、できるだけ我慢。かいて角層を壊すと肌はさらに乾燥し、バリア機能をますます低下させてしまいます。
また、先にお伝えしたとおり、秋は角質の細胞に隙間があいた状態なので、化粧水が角質に浸み込みやすく、刺激を強めに感じがちです。
かゆみ肌は、保湿することで緩和しますが、このように肌が敏感になっている秋には、化粧水よりも低刺激のクリームを使った保湿ケアをおすすめします。
保湿力の高い高機能クリームやジェルでのお手入れで、うるおいを皮膚の奥深く行き渡らせましょう。
ここから、秋の夜長にゆっくりと行いたい保湿パックをご紹介。かゆみを治して、ささくれだった気分が上向きになるのを感じたいですね。
1 保湿効果の高いクリームかジェルを多めに顔全体に塗ります。適量の2倍ぐらいを目安に。このお手入れでは贅沢に使いましょう。
2 肌が透けないぐらいまんべんなく塗ったら、ラップを2枚用意し、顔の上半分と下半分に分けて覆います。小鼻の横や目元も浮かないよう密着させます。
※パックは鼻や口はふさがないように、息苦しくならないように注意してください。
3 水で濡らしたタオルをラップの上から顔に当て、15分ほどそのままにします。
※密閉状態で冷やしたタオルを置くと、血流が良くなり、うるおいが浸透しやすくなります。
4 タオルとラップを外します。肌表面に残ったクリームやジェルは、首や手の甲などにつけましょう。
帰宅したら、家に入る前に玄関先で衣服や頭などの花粉をはらって家に持ち込まないようにしましょう。
またすぐ洗面所に直行して手洗い、うがいをし、さらに洗顔をするだけでも、かゆみ防止の効果があるといわれています。
使った洗顔料が残っていることがないよう、十分にすすぐようにしてください。生え際やあごなども忘れずきちんとすすぎましょう。
秋の敏感肌にとっては、洗顔料もかなりの刺激になることがありますので、保湿成分のあるタイプを選ぶことにも気を配ります。
メイクをする時に使っているブラシやスポンジ、ずっと洗っていない、または最後いつ買ったのかも覚えていない、そんな方はすぐ取り替えましょう。
夏を越した間に雑菌が繁殖し、それが吹き出物やかゆみの原因になっている可能性もありますので、清潔なものを使うよう心がけましょう。
秋に多い肌トラブルの「かゆみ」についてお伝えしてきました。かゆみは、肌の乾燥によるバリア機能の低下や、紫外線、花粉、金属、化粧品などの外的刺激で引き起こされます。
このほか過剰なストレスも、顔のかゆみにつながると考えられており、そんな時におすすめなのがご紹介した、ゆったり“クリームパック”での癒しケア。
保湿とリラックス両方の効果があるので、ぜひ取り入れてみて下さいね。あわせて普段の食事や入浴法、睡眠も見直してみましょう。
かゆみ肌が治ってくればイライラ気分も改善して、晴れ晴れした気持ちで毎日を送れるようになれますよ。