ダイエットをしている方の中には、「糖質制限ダイエット」をしている方も多いのではないでしょうか。糖質制限という言葉はとても一般的になり、ダイエット中ではなくても炭水化物の量に気を配る方も多くなってきています。
しかし、極端な糖質制限はかえって身体に負担をかけてしまうことになりかねません。糖質の種類や摂り方はとても大切です。
糖質制限ダイエットを続けている人の中で、「最近疲れやすい。」「集中力が続かない。」などと感じている方は、糖質の摂り方を見直してみるといいかもしれません。
今回は、糖質のはたらきや種類、賢い摂り方について紹介します。
糖質の種類や正しい摂り方を知って、「健康に美しく」を目指すダイエットをしてみませんか?血糖値の上昇がなぜ肥満につながりやすいのか、なども解説するので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
皆さんは「糖質」と聞くと、どんなものを思い浮かべるでしょうか。砂糖や果物という方もいるかもしれません。
糖質は、三大栄養素のひとつである炭水化物に含まれています。炭水化物は「食物繊維」と「糖質」からできていて、人間の身体になくてはならない栄養素のひとつです。
体内における糖質のはたらきは、主にエネルギーの役割をしています。特に脳はブドウ糖という糖質が主なエネルギー源。糖質の量は集中力や思考に大きく影響するのです。
糖質が不足することで身体は「低血糖」と呼ばれるエネルギー不足の状態になります。疲れやすい、やる気が出ない、イライラするなどの不調が表れることもあります。重度の低血糖は、めまいや動機などにつながることも。
また、反対に糖質の摂りすぎは脂肪の蓄積につながり、ダイエットの大敵になります。糖質は不足しても、過剰に摂取してもいけない、身体にとって重要な栄養素です。
ダイエットや栄養素に詳しくない方も、「炭水化物の摂りすぎは良くない。」というイメージがありませんか?
ではなぜ、糖質を多く摂ると太ってしまうというイメージがあるのでしょうか。
私たちが糖質をたくさん摂ったとき、体内では血糖値が急上昇します。血糖値が高いままでいると血管のつまりや破れの原因になるので、血糖値を下げるはたらきのある「インスリン」というホルモンが分泌されます。
血糖値の急上昇でインスリンが分泌されると、インスリンのはたらきで今度は血糖値が急激に低下します。そのときに脳が勘違いをして、空腹感を感じることがあります。
飲み会で食べたり飲んだりしたはずなのにしばらくするとお腹が減るのも、アルコールや食事の糖質により血糖値が上がり、その後急激に低下したからと考えられます。
インスリンは血糖値を下げるだけでなく、糖を脂肪に換えて身体に蓄えるはたらきがあります。過剰な糖質の摂取は、脂肪の蓄積による肥満だけでなく、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まる恐れもあります。
では、健康に気を配っている方やダイエット中の方は糖質を避けた方がいいのでしょうか。
糖質を摂ることが悪いわけではなく、血糖値の急上昇に注意をすることが大切です。血糖値の上昇が穏やかな糖質を選び、摂ることがおすすめです。
例えば同じ糖質の量でも、果物と清涼飲料水では太りやすさは違ってきます。
糖質には種類があります。
「単糖類」「少糖類」「多糖類」の3種類に分けられます。
ダイエット中の方におすすめの糖質は、多糖類です。
多糖類は、糖がいくつもつながったような形をしています。体内に入ったらまず、つながった糖を分解してから吸収をする必要があります。
分解・吸収までの時間が長く、血糖値の上昇も穏やかなため、ダイエット中の方には最適です。
反対に、単糖類や少糖類はつながっている糖が少なく、多糖類でいうと分解された後のような状態。食べてから吸収までが速いのでダイエットには向きません。しかし、体調の悪いときや激しいスポーツをしているときには効率よくエネルギーの摂取ができます。
果糖の含まれる果物は炭水化物に比べて血糖値を上昇させにくいですが、食べすぎには注意し、できるだけ朝に食べるようにしましょう。
多糖類は穀物やイモ類に多く含まれます。血糖値の上昇が穏やかなうえに腹持ちが良いので、積極的に摂るといいでしょう。
砂糖などの多く使われたお菓子は摂りすぎに注意する必要があります。
「口の中に入れたときに素早く甘みを感じるものは吸収も速い」と覚えると、糖質の種類を見極めるひとつの目安になりますよ。
糖質は摂る量や種類も大切ですが、摂り方もとても大切です。
同じ内容の食事でも、ちょっとした工夫をするだけで太りにくく、痩せやすい体質に。今日からできることばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。
ダイエットをしている方の中には実践している方も多いかもしれませんが、同じ食事をするにしても、食べる順番がとても重要です。
「ベジファースト」という言葉も随分知られてきていますが、野菜や豆類、肉や魚を食べたあと、最後に炭水化物を食べるように意識しましょう。
糖質がメインの食事をするのではなく、食物繊維や脂質の含まれる野菜などと一緒に食べるようにすることで、血糖値の上昇を抑制します。
また、歯ごたえのある野菜などと一緒に食べると満腹感や満足感が得られ、食べすぎを抑えます。
麺類だけ・丼だけ、などといった食事には注意して野菜、豆類、海藻類を積極的に食事に取り入れるようにしましょう。
糖質の量を減らすだけでなく、血糖値の上昇を抑える食べ物や飲み物と一緒に摂ることも効果的です。
例えば、お酢に含まれる「酢酸」には、血糖値の上昇を抑えるはたらきがあります。
ドレッシングとして使うことや酢の物を積極的に食べるようにするなど、意識的に摂るようにするといいでしょう。
そのほかにもきのこ類や緑茶やヨーグルト、ブラックコーヒーやチョコレートなども血糖値の上昇を抑えるのに役立ちます。
チョコレートは甘いので血糖値が上がるイメージがあるかもしれませんが、カカオ成分70%以上のハイカカオチョコレートであれば、血糖値の上昇を抑えるはたらきがあります。
また、玄米、オクラ、トマト、玉ねぎ、青魚などにも血糖値を下げるはたらきが期待できます。
今回は、糖質の種類や糖質の摂り方について紹介しました。糖質に種類があることを知らなかった方も多いのではないでしょうか。
「炭水化物は控えた方がいい。」とだけ知っているよりも、糖質の種類や吸収スピードが違うことを理解すると、主食を控えるよりもおやつを控える方が大切なことがわかります。
三大栄養素のひとつである炭水化物はダイエットの大敵にされてしまいがちですが、身体にとってとても大切な役割を担う栄養素です。
むやみに控えようとするのではなく、食べる順番や種類に気をつけてうまく取り入れていきましょう。
せっかくダイエットをしたのに疲れやすい身体になってしまうことのないよう、健康的で適度な糖質制限に挑戦してみてくださいね!