朝晩の冷え込みも厳しい真冬には、体を動かすことも億劫で、家にこもりがちという方も多いのではないでしょうか。そんな寒い季節に気になってくるのが、「冬太り」。
特に冷え性の方は代謝が悪く、むくみや脂肪を溜めやすいというだけでなく、ダイエットしても効果が出にくいといわれています。
そんな冬のダイエットは、まず体を温めてからするのが正解なんです。そこでこれから、冷えタイプ別に有効な温め方や、“温めダイエット”についてお伝えしていきます。
気温の下がる冬は基礎代謝が高まるので、温かい季節より痩せやすいというメリットもあります。冬痩せ、足痩せを目指して冬のダイエットを成功へ導きましょう。
体温が1度下がれば、基礎代謝も約12%低下するといわれます。女性が1日に使う平均基礎代謝量を1200kcalだとすると、1度体温が下がると1日約144kcal消費できないことになります。
それとともに、体が冷えると血液やリンパ液の流れも低下し、水分や老廃物も排出できにくくなるため、むくみや脂肪がついていきます。
つまり冷えた体では、ダイエットしても効果が思うように出ないということに。痩せやすい体質になるためには、ダイエットだけ頑張るのでなく、「体を温める」ことが大切になってきます。
はじめに、冷えの起こる仕組みから冷え性のタイプをご紹介していきます。
冬に太りやすいのはなぜかを理解して、冬のダイエットを成功させるコツを探っていきましょう。
多くの方の冷えは、「血管収縮型冷え症」といえます。およそ冷え症の7割以上はこのタイプといわれ、特徴は暖房の効いた室内でも手足が冷たいと感じること。
血行不良やセルライトなどが原因で、血液の流れが悪く毛細血管まで温かい血液が流れず、血管が収縮し、そのため手足が冷えてしまう状態です。
リンパの流れも滞り、頭やお腹に血液が留まって末端まで血行が届きづらくなって冷えます。
血管収縮型の冷えは、頭やお腹に血液が溜まっていて、手足まで届いていないのが原因です。血液を体の末端まで流してあげるためには、手足を温めるよりもお腹など体の中心を温めましょう。
カイロは、お腹と背中に貼ります。おへそ下約5㎝、指を2~3本分の位置と、その真後ろに貼ります。体の中心を温めれば、お腹にあった血液を末端まで流しやすく体質が改善されていきます。
カイロをおヘソの下に貼る理由は、この場所が丹田と呼ばれ、精気が集まり気力を充実させるところだからです。
ここを温めると交感神経を刺激して体温が上昇、基礎代謝が高まりダイエット効果もアップします。体温が1℃上がると代謝量は約12%上がるといわれます。
近年増えているのが、この「血管拡張型冷え症」です。ストレスなどで自律神経が乱れ、常に血管が拡張して、体温が奪われていくことで起こります。
男性も冷え性の方が増えているそうですが、とにかく寒がりで、夏にジャケットを着たり、冬は体中にカイロを10枚も貼ったりする方はこのタイプ。
寝る際も、電気敷き毛布と電気掛け毛布を両方使ったりすると、さらに体温調節ができなくなってしまいます。
冬には積極的に体を温める食材を摂るようにします。ニンジンやゴボウ、レンコンなどの根菜類。ニンニクやしょうが、ネギ、ニラなど。
毎日のお味噌汁に、しょうがのすりおろしを入れるだけでも効果があります。
体をポカポカにする体操を、お風呂上りに毎日やると効果的です。
例えば、椅子に浅く座り、ロダン彫刻の「考える人」のように、右ひざに左ひじをつけるポーズを取ります。背筋は延ばして左右交互に20回ずつ。
やたらに温めすぎることは、自律神経をよけい混乱させて体温調節ができなくなってしまいます。温めるのは、首とお腹、足先の3か所に。
マフラーや腹巻、厚手のソックスで体温を逃さないように、使い捨てカイロを貼るのもこの場所にします。過度に温めすぎると、体質が悪化してしまう恐れもあります。
冬は運動不足になるから太る、というイメージを持たれがちですが、実は寒い季節こそ「脂肪を燃焼」するには良い機会です。
体には気温が低くなると、体温が低下しないよう脂肪を燃焼して体温を上げる働きがあります。
この働きが基礎代謝のアップにもなるため、寒い時期は「脂肪を燃焼して代謝を上げる」という、痩せるメカニズムがより働いているのです。
つまり、体温を下げないように脂肪燃焼をするので、消費カロリーは冬の方が高く、体を温めれば冬の方がダイエットの成功率が上がるというわけなんです。
ここからは、この時期ならではの温めて痩せやすくする簡単エクササイズをご紹介します。
運動で手先や足先まで血行を行き渡らせ、なおかつインナーマッスルを刺激するエクササイズです。
1 足の指でじゃんけんのグー、チョキ、パーの動きを繰り返します。指の関節をまず軟らかくすることで末端まで血液が流れます。
2 手の指を足の一つ一つの指に差し込み、からめます。
右足の指には左手の指をからめてグルグル回すのも温め効果があります。入浴中や寝る前のちょっとした時間に実践してみましょう。
1 床に座って脚を伸ばします。お尻に重力をかけて前進します。腕を大きく振るとお尻が動きやすいです。前進と後進を5回ぐらい繰り返すと、ポカポカ内側から温まってくるのを感じます。
2 椅子に座り、背中を真っすぐにして両腕を胸の前で組みます。息を吐きながら上半身を右にねじりましょう。息を吸って正面に戻り、また息を吐いて左にねじります。
ゆっくりした呼吸に合わせた動きを心がけて、左右5回繰り返します。
1 握りこぶしの第二関節を使って、足裏の指からかかとへリンパを流します。次に足の甲の指にその第二関節を当てて足首方向へ動かし、リンパを流します。
2 握りこぶしの第二関節を使って、くるぶしからひざ、太ももから太ももの付け根まで、リンパを流します。これらのマッサージを両足に行いましょう
特にタンパク質が不足すると内臓も冷え、体も冷えやすくなります。それは栄養素の中で一番熱を発生しやすいのがタンパク質だからです。
温めダイエットのためには、タンパク質や体を温める食材を意識して摂ることが効果的です。内臓が温かいとダイエット効果もアップしますよ。
成人女性が1日に必要なタンパク質の量は55gといわれています。
豆腐や鶏肉のささみ、むね肉、マグロの赤身など、低カロリー高タンパクの食材は積極的に取り入れましょう。
タンパク質以外の体を温める食材は、ショウガ、ニンジン、カボチャ、レンコン、ゴボウ、ジャガイモ、玄米、納豆、キムチなどです。
また飲み物では、ショウガ湯やココア、紅茶、ウーロン茶、プーアル茶、黒豆茶、赤ワイン、日本酒などは内臓を温めてくれます。
また沸騰した湯を50度ぐらいに冷ました白湯を、起床時や1日に何回か飲むようにして、内臓を温めて血流改善を促しましょう。
体を温めればダイエット効果がアップするだけでなく、便秘や肩こりといった不調も改善することができます。
冬に太る原因は、冷え、運動不足、食べ過ぎということで、ここまで冬に基礎代謝がアップすることを意識した「温めダイエット」をご紹介してきました。
内臓を温めれば、血行や代謝が良くなり痩せ効果も上がり、美肌効果も望めます。
体を温める軽い運動、入浴、食事や白湯を飲む習慣で内臓をしっかり温めて、冬こそダイエット&美容効果をアップさせましょう!