暖かく天気も安定する春から初夏は、お出かけするにも気持ち良い季節です。しかしながら、肌にとって気になるのが紫外線ですよね。
春先から増え始めた紫外線の強さは、4月でも残暑厳しい9月とほぼ同じ。紫外線UVA量に関していえば、7、8月を抑えて5月が1年で一番多いという驚きのデータが報告されています。
5月のケアが、シミやしわ、たるみなどの肌老化を進ませるかどうかを左右する、といってもいいほどなんです。
そこで今回は、5月の紫外線対策について、美肌づくりやエイジングケアの点からポイントをわかりやすくまとめてみました。
紫外線にはUV-A波とUV-B波がありますが、肌老化の現象ともいえるシミやしわ、たるみの原因は主にUV-Aの方。
こちらは4月から急に増え、5月には年間で最大量降り注いでいます。しかも5月は晴れる日が多いことから、肌への影響はダイレクトに届いてしまうことも。
一方、肌が炎症を起こし、黒くなるといった日焼けの原因となるのが、UV-Bで、7月8月が最大量に達します。
もちろん、紫外線は年中降り注いでいますから、1年中ケアが必要なのですが、シミ、しわ、たるみなどの「エイジング対策」は、4月5月から9月までを念入りに。「美白対策」は7、8月にといった、両面からのケアを行うことが重要です。
日焼けの原因、UV-Bは肌の表面にある表皮までしか到達しないのに比べて、UV-Aは、その奥にある真皮まで到達します。
紫外線UV-A波は、目に見えないまま深部まで浸透し、ゆっくり細胞にダメージを与え、蓄積します。
そして、長い時間をかけて細胞組織を破壊していき、いつの間にかハリや弾力が失われ、シワやたるみなどの「光老化」が現れてくるようになるのです。
またUVA自体のエネルギーは弱いものの、地上に届く量の多さから肌に大きな影響をもたらします。
しかもUV-Aは曇りの日も、窓ガラスも通過するため、室内にいてもブロックする必要があります。
気象庁は、紫外線の強さを数値化した「UVインデックス」というデータを発表しています。これは、その数値によって紫外線が「弱い」「中程度」「強い」「非常に強い」「極端に強い」の5段階に区分されているものです。
「非常に強い」以上の日には、外出をできれば控えたほうが良い目安と考えられています。
晴天が多い5月は、東京や大阪などでもこのUVインデックスが「非常に強い」以上の日が出始めます。
また7~8月には日焼け止めをしっかりする方も、この時期はまだ本格的な紫外線対策をしていない方が多いということもあり、むしろ5月こそ紫外線の影響を受けやすく、注意すべき時期といえるでしょう。
紫外線の影響を抑えるために、この時期に実施したいUVケアのポイントをご紹介します。
日焼け止めにはSPFとPAの数値が表示されています。
「SPFが高いほど良い」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、SPFが高ければB波のブロック力は高い反面、肌に負担をかけるということも知っておきましょう。
また5月は、先に触れたように肌老化に影響大のUV-Aが最高に達します。
そのことを考えると、この時期の紫外線対策は、A波をプロックするPA表記の+の数
の多いものを選びましょう。+の数が多いほどA波を防ぐ効果は高まります。
また晴天で日射しが強い日は、「SPF50で++++」など、SPFとPAの両方高いものを使うというように、生活シーンに合わせて上手に使い分けることも大切です。
お肌に刺激を与える紫外線をブロックするには、やはり日焼け止めを塗ること。
正しい塗り方でより肌へのダメージを抑えることが、美肌を守る上で重要になってきます。
日焼け止めには、肌を乾燥させる成分が含まれていることもあります。
乾燥した肌はバリア機能が低下していて刺激に弱くなっていますから、そこに日焼け止めを塗ると、肌の乾燥はますます進み、よりダメージが加わることになります。
日焼け止めを塗る際は、必ずたっぷり保湿をし、5分ほどおいて浸透させてから塗ることをおすすめします。
使用する量を守ることも大切です。1回に塗る量が少ないと、正しい効果が得られません。
顔の場合、液状タイプでは500円玉1個分、クリームタイプはパール粒(5mm)2個分がおおよその目安です。
意外と多いのが塗りムラです。顔に塗る時は、手に日焼け止めを取り、両手で軽くこすり合わせ、手の平でおでこから、頬、鼻、あごとつけていきます。
最後に顔を包み込むように全体をなじませましょう。こすらず、押し込むようにするとムラなく上手に塗れます。
日焼け止めは、ブロック力の高いものを一回塗るよりも、数値が低いものを何度か塗りなおした方が効果を期待できます。
2~3時間おきに塗り直すのが良いとされています。メイクをしている場合は、乳液をコットンに含ませ拭き取り、日焼け止めを塗り、下地、ファンデーションを重ねます。
5月になれば汗ばむ日も出てきます。特に鼻の上やおでこは日焼け止めが落ちやすいので、この部分だけでも塗りなおしましょう。
油断しがちなのが曇りの日。実は、UVAは雲や窓ガラスを通り抜けやすいという性質があるため、曇りの日でもたくさんの紫外線が肌に届いています。
また、家の中でも窓際にいる時間が長いなどで、思わぬ日焼けをしないよう油断することなくケアをするようにしましょう。
A波B波ともに増えていくこれからの時期の美肌対策には、肌のターンオーバーも重要です。
紫外線A波によって肌の奥に蓄積したメラニン色素は、黒くなった表皮細胞が徐々に押し上げられて外に排出されます。
そのサイクル、ターンオーバーが滞らないよう、角質ケアやピーリングなども行いたいもの。でもその際には、日焼けしたり、乾燥したりした状態の肌では行なわないようにしてください。
紫外線対策といえば、やはり日焼け止めを塗ることですが、肌へのダメージを抑えるものを選ぶということも美肌を守る上で重要になってきます。
日焼け止めには紫外線を反射し散乱させる「紫外線散乱剤」と、紫外線を吸収して、熱や赤外線に変化させて放出する「紫外線吸収剤」の2タイプがあります。
UV効果が高いといわれるのは吸収型ですが、肌への負担も大きいことがネックです。
美肌を損ねないようにするには、散乱型を選び、紫外線をブロックする下地やフェイスパウダーを併用しながら、防いでいくことをおすすめします。
一般的な日常生活の場合は、SPF20、PA++程度でも十分といわれています。その日の予定によって使い分けるなど、細やかなケアができればなお良いですね。
どちらを使うにしても、化粧水、乳液などで十分保湿し、乾燥対策を行うことが大切です。
紫外線対策と並行して行いたいのが、肌の力を高めることです。
肌に潤いがあることで、肌のバリア機能がキチンと働きます。
例えば、ブロック力の強めの紫外線を使うシーズンには、肌に優しい天然の植物エキス配合のエッセンスジェルや、ヒアルロン酸やセラミド配合など、うるおい成分のある日焼け止め美容液を試してみるのもおすすめですよ。
無着色、無香料、無鉱物油、アルコールフリーのものもありますので、肌にうるおいを与え肌の力を高めつつ、紫外線対策を行ってみてはいかがでしょう。
これまで5月の紫外線は要注意ということをお伝えしてきました。
特に紫外線A波は、肌荒れや肌老化の原因となりますので、この時期のケアの積み重ねによって、3年後、5年後、10年後の見た目の印象が大きく変わってきます。
日焼け止めを正しく塗る、肌を保湿する、ターンオーバーを維持するなどを怠らず、5月の強い紫外線ダメージに負けない肌を作っていきましょう。