最近、テレビやインターネットでMCTオイルが注目を浴びていますね。
「MCTオイルって美容に良いの?」
「MCTオイルはどうやって摂ればいいのかな?」
などと疑問を持っている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、MCTオイルの特徴や美容や肌改善効果、MCTオイルの選び方、注意点について解説します。
MCTオイルとは、ココナッツやパームを原料にして「中鎖脂肪酸油」100%で作られた天然の食物油です。
MCTオイルは、以下の特徴を持ちます。
1. 分子の長さがオリーブオイルやゴマ油の半分
2. スムーズに消化吸収される
3. 脂肪として体内に蓄積されにくい
では、1つひとつお話ししていきましょう。
オリーブオイルやゴマ油などの一般の植物油には長鎖脂肪酸が多く含まれていますが、MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸油は、分子の長さが一般の植物油の約半分しかありません。
そのため、他の油とは異なる性質を持っているのです。
一般の植物油(長鎖脂肪酸)は小腸によって吸収されてから血管やリンパ管を通過して筋肉や肝臓に運ばれ、その後分解されたり、脂肪として蓄えられたりします。
ところがMCTオイル(中鎖脂肪酸)は小腸から門脈を通過して直接肝臓に入って分解されるため、効率よくスムーズに消化吸収されます。
MCTオイルは他の食物油の約4倍ものスピードで分解され、素早くエネルギーへと変化します。
そのため、脂肪として体内に蓄積されにくいという特徴を持ちます。
ここまで、MCTオイルの特徴についてお話ししてきました。
次に、MCTオイルを摂取することでどのような効果があるのか、お話しします。
1. 肌改善効果
2. ダイエット効果
3. 脳の活性化
4. 運動時のエネルギー源
では、順に確認していきましょう。
MCTオイルには、肌改善効果が期待できます。
その理由は、中鎖脂肪酸が体内で「ケトン体」と呼ばれるエネルギー源の生成を促すからです。
ケトン体とは、体内のグリコーゲン(糖質)が不足した時に体脂肪を燃焼することで生成される物質で、抗炎症作用や抗アレルギーといった、美容効果が認められています。
さらにMCTオイルには「βヒドロキシ酪酸」という活性酸素を無効化させる物質が含まれているので、シミやシワ、くすみの予防にも効果が期待できるでしょう。
MCTオイルはダイエットに大きな効果が期待できます。
なぜなら、中鎖脂肪酸は体脂肪になりにくいからです。
一般の食用油はエネルギーとして使用されなかった分が体内に蓄積され、肥満の原因となります。
ところが前述したように、中鎖脂肪酸は一般の食用油の4倍ものスピードで分解されます。
代謝スピードが速いとエネルギー源として活用されやすく、体脂肪として蓄積されにくいため、ダイエット効果が高いといわれています。
近年の研究では、MCTオイルはアルツハイマー病予防にも効果的であることがわかってきています。
アルツハイマー病の大きな特徴は、脳のエネルギー不足です。
脳が十分にブドウ糖を取り込めずにエネルギー不足になると、脳の働きが衰えてしまい、アルツハイマー病が起きるといわれています。
そこで注目を浴びているのが「ケトン体」。
これまでは脳の栄養源はブドウ糖のみだと考えられていました。
ところが、ケトン体が脳のエネルギー不足を補い、認知機能が改善する例が確認されています。
MCTオイルを摂取することで、脳のエネルギー源になる「ケトン体」の生成が促進されるのです。
MCTオイルは運動時の効果的なエネルギー源としても注目されています。
その理由は、MCTオイルを継続的に摂取することで、運動時に疲れにくく、より長い活動が可能となるからです。
たとえば、自転車をこぎ続ける実験において、MCTオイルを摂った時の方が一般的な食用油を摂った場合よりも、高強度な運動の場合にはより長く運動でき、中強度な運動の場合は血中乳酸濃度が低いことが確認できています。
MCTオイルを習慣的に摂ると、エネルギー源として脂肪を効率的に利用しやすくなるといえるでしょう。
肌改善、ダイエット、運動、認知症予防と様々な効果が確認されているMCTオイルですが、製品によって成分や製法に違いがあるため、どれを選べばよいか迷ってしまいますね。
MCTオイルの選び方として、以下の6つを参考にしてください。
1. 無添加にこだわるなら認証マークをチェック
2. 遮光性ガラス瓶入りは劣化しにくい
3. 体に優しいのは100%ココナッツ由来のもの
4. ダイエット目的なら中鎖酸100%のMCTオイル
5. 筋トレ前に摂るならサプリタイプ
6. 料理に使うなら液体タイプ
では、順に見ていきましょう。
MCTオイルには認証マークがついているものがあります。
認証マークには、オーガニック認証や安全性がわかる認証、宗教上の認証などがあるので、自分のこだわりに合った認証マークがついているか、確認しましょう。
以下は、認証マークの例です。
MCTオイルの遮光性のガラス瓶入りのものは劣化しにくいので、おすすめです。
オイルは、熱や光、空気によって劣化が進むため、これら3つを避けることが可能なのが、遮光性ガラス瓶入りになります。
また、MCTオイルは冷暗所に保管するようにしましょう。
MCTオイルにはココナッツが原料のものと、パームが原料のものがあります。
ココナッツが原料のものは価格が高いのですが、食用として栽培されているため体に優しいという特徴があります。
体に優しいMCTオイルを選びたい方には、100%ココナッツが原料のものをおすすめします。
ダイエット目的でMCTオイルを摂るなら、カプリル酸やカプリン酸100%のものがおすすめ。
ココナッツオイルにはラウリン酸と呼ばれる長鎖脂肪酸に似た成分のものがありますが、ラウリン酸はカプリル酸やカプリン酸に比べてエネルギーに変わるのが遅いからです。
ダイエットのためにMCTオイルを摂るなら、カプリル酸やカプリン酸100%のものを選ぶようにしましょう。
筋トレ前にエネルギー補給の目的でMCTオイルを摂取するなら、サプリタイプのものがおすすめです。
液体タイプのMCTは料理にかけて摂取することになりますが、運動前にはあまり食べたくないという方が多いでしょう。
しかし、サプリタイプなら余計なカロリーを摂ることなく効率的にMCTオイルが摂取できます。
さらに、運動に適した他の成分が含まれているものもあるので、自分にとって必要な成分を同時に摂取することができますよ。
MCTオイルを毎日の料理に取り入れたい方には、液体タイプがおすすめです。
MCTオイルはそのまま手軽に使えるので、サラダのドレッシングをMCTオイルで手軽に作れば、ヘルシーなドレッシングを楽しむことができます。
さらにみそ汁に入れたり、ヨーグルトに混ぜたりと使い方はいろいろ。
料理にMCTオイルを使いたい方は、液体タイプを選びましょう。
最後に、MCTオイルを摂取する際の注意点についてお話します。
注意点は以下の3つです。
1. 過剰摂取に注意
2. 加熱せずに使おう
3. 午前中の摂取がおすすめ
それでは、順に確認しましょう。
美容や肌改善、ダイエット、認知症予防など、様々な効果を持つMCTオイルですが、過剰摂取すると太ってしまうのは他の食品と同様です。
1日当たりの摂取量は小さじ1~大さじ1程度。
慣れないうちはお腹がゆるくなる人もいるため、少なめの量から始めると良いでしょう。
一般的な食用油は炒め物や揚げ物に加熱して使うのが主流ですが、MCTオイルは加熱には適しません。
一般的な食用油は370~400度に達すると発火します。
しかし、MCTオイルは140度程度で煙が立ち始めるのです。
加熱調理には向かないため、ドレッシングを作ってサラダにかけたり、飲み物に混ぜたりするなどの使い方をしましょう。
MCTオイルを摂取するのは、午前中がおすすめです。
夕方や夜に摂取すると、カロリーオーバーになってしまう危険性があるからです。
素早くエネルギーに変化するMCTオイルはダイエットに効果的ですが、カロリーは決して低くありません。
1日の中で最もエネルギー消費率の高い、午前中から日中にかけての摂取をおすすめします。
体内でケトン体の生成を促して素早くエネルギーに変化するMCTオイルは、美容と健康に大きな効果が期待できます。
しかし、どのような目的でMCTオイルを使いたいのかによって、選び方を考えることも大切です。
また、MCTオイルといえども、過剰に摂取すると太ってしまって逆効果。
摂取する時間帯にも気を付けなくてはなりません。
美容や肌改善、ダイエットに効果的なMCTオイルを上手に使って、ハツラツとした健康美を手に入れましょう。