長時間の立ち仕事やデスクワークで、脚がむくむという悩みをお持ちの方は多いですね。
朝は何ともなかったのに、夕方になるとふくらはぎがパンパンになって靴もきつくなってくる…
男性に比べて筋力の弱い女性は、どうしても脚がむくみやすい傾向にあります。
しかし「よくあることだから…」と放置していると、単なるむくみではない病気に移行していく可能性がありますよ。
特に脚に乾燥や湿疹のある方は要注意。
脚の乾燥やむくみを改善して美脚をゲットするために、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
脚の乾燥とむくみは別物と考えてしまいがちですが、2つには大きな関係があることをご存じでしょうか。
なぜなら、脚の乾燥とむくみは「下肢静脈瘤」と呼ばれる病気のサインだからです。
この章では以下について解説します。
1. 下肢静脈瘤とは
2. 下肢静脈瘤の原因
3. 下肢静脈瘤の症状
では、1つひとつお話ししていきましょう。
下肢動脈瘤とは、脚の血管の病気です。
脚の血管がぼこっと膨れてこぶのようになるのが主な症状で、脚のだるさやむくみ、皮膚の乾燥や湿疹などが起きることも。
脚の皮膚表面に異常が現れるため皮膚科を受診してしまう方が多いのですが、前述したように下肢静脈瘤は血管の病気になります。
病気としては良性なので治療をしなくても健康に害はありませんが、自然に治ることはありません。
下肢動脈瘤は、脚の静脈の弁が壊れて下流の静脈に血液が溜まることで起こります。
血管には静脈と動脈がありますが、脚の静脈の役割は、使い終わった血液を心臓に戻すことです。
脚の静脈にはハの字型に枝分かれした弁があり、血液が脚の方へ逆流しないようにせき止めています。
ところが病気によって弁がしっかり閉じなくなると、下流に血液が溜まり、やがてこぶのように膨れてしまうのです。
下肢静脈瘤の主な症は、脚の乾燥やむくみ、だるさなどです。
また、こむら返りが起きたり、脚がつったりすることも多いといえるでしょう。
さらに脚に汚れた血液が溜まることで血行不良となり、乾燥や皮膚炎を引き起こし、皮膚炎が悪化してくると重度の皮膚疾患を伴う場合もあります。
脚のむくみやだるさは、長時間同じ姿勢でいた後や夕方以降に起きることが多いでしょう。
ピップエレキバンなどを展開するピップ株式会社の調査で、脚のむくみを自覚する人の約6人にひとりが隠れ下肢静脈瘤であることがわかりました。
下肢静脈瘤というと、血管がぼこっと膨れる病気だと考えている方が多いのですが、実は血管が浮き出てこないタイプもあり、そのようなタイプを隠れ下肢静脈瘤と呼んでいます。
次の章では、あなたの足にむくみはないか、さらに隠れ下肢静脈瘤になっていないかどうかがわかる、チェックリストをご紹介しましょう。
ここでは、あなたの脚をセルフチェックし、むくみや隠れ静脈瘤が無いか確認していきます。
まずは脚のむくみをチェックしましょう。
以下のチェック項目のうち1つでも当てはまったら、むくんでいる可能性があるといえます。
以下は、下肢静脈瘤のチェックリストです。
2つ以上が当てはまると、隠れ下肢静脈瘤の疑いがあるといえます。
いかがでしたでしょうか?
チェクリストでむくみや隠れ下肢静脈瘤の可能性がある方は、次の章で紹介する予防・改善方法を取り入れてみてくださいね。
ここからは、脚のむくみを予防・改善し、下肢静脈瘤を防ぐ方法をご紹介します。
今回ご紹介するのは、以下の4つです。
1. エクササイズ
2. マッサージ
3. 着圧ソックス
4. 食生活の改善
では、順に見ていきましょう。
まずはエクササイズでむくみを改善して、下肢静脈瘤を防ぐ方法から。
手足に溜まった血液を心臓へ送り返します。
① 床に仰向けに寝転がって、両手足を垂直に上げる
② 手足を30秒間小刻みにブルブル揺らす
③ 脱力して休憩
④ 1~3を3回繰り返す
手足をブラブラさせる際には、末端に滞った血液を上半身へ流すイメージで行いましょう。
できるだけ脱力することが大切です。
かかとの上下運動によってふくらはぎのポンプが働いて、血流が改善します。
① 姿勢を正し、両脚を握りこぶし1つ分開く
② お腹を引き上げるようにして姿勢を正す
③ 両方のかかとを上げて背伸びの状態にする
④ かかとを下す
⑤ 2~3を30回繰り返す
かかとを上げた時に体がふらついて安定しにくい方は、テーブルやいすの背もたれなどにつかまって行うと良いでしょう。
次にマッサージを紹介します。
ふくらはぎのリンパを流してむくみを撃退しましょう。
① ふくらはぎを両手でしっかりつかむ
② 雑巾を絞る要領でふくらはぎを5~6回往復
① 両手をグーの状態にして、くるぶし上からひざの下まで5~6回しごき上げる
② 少しずつしごく場所を移動しながら、太ももまで行う
マッサージはお風呂上りなどの体が温まっている時に行うと効果的です。
オイルやクリームを塗って滑りを良くしてから、マッサージしましょう。
立ち仕事やデスクワークなど、同じ姿勢が続く仕事で脚がむくみやすい方や、妊娠、遺伝などが影響して静脈弁の壊れやすい方には、着圧ソックスも効果的です。
着圧ソックスとは一般的なソックスよりも圧力の高いソックスで、むくみ予防や血行改善に効果が期待できます。
サイズや長さ、材質等様々なものがあるので、自分に合ったものを選びましょう。
塩分や油分を摂りすぎてはいないでしょうか?
肥満や塩分過多、脂質異常はむくみの原因になりやすく、下肢静脈瘤にもつながってきます。
バランスの良い食生活を目指すことが、むくみや下肢静脈瘤の予防になるといえるでしょう。
また、便秘も下肢静脈瘤の原因となります。
なぜなら固い便を出そうといきむことで大きな腹圧がかかり、下肢静脈瘤が悪化するからです。
隠れ下肢静脈瘤の症状が当てはまる方は、腸内に善玉菌を増やす発酵食品や食物繊維を多く含む食品を摂って、便秘を予防改善しましょう。
今回の記事では、脚のむくみと乾燥に着目し、隠れ下肢静脈瘤についてお話ししました。
脚のむくみと乾燥には大きな関係があり、下肢静脈瘤につながっていく場合があります。
記事内でお話ししたように、下肢静脈瘤では血管がぼこっと膨らんでくるとは限りません。
隠れ下肢静脈瘤の段階では血管が膨らんでいない場合もあるため、注意が必要です。
脚のむくみや隠れ下肢静脈瘤の症状に心配がある方は、今回ご紹介した予防改善方法をぜひお試しくださいね。
脚の乾燥やむくみ、下肢静脈瘤の無いはつらつとした美脚を手に入れましょう!