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ブドウ糖と果糖、どちらが太りやすい!? 二つの違いと糖の上手な摂り方とは?

肥満や老化につながるという“糖化”が問題視されるようになって、糖質制限を意識している方も多いと思います。
そんな中、「果糖は太る」と聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
血糖値が上がりにくい果糖ですが、実はブドウ糖に比べて肥満リスクが高いことが指摘されているのです。
そこで果糖とブドウ糖それぞれどんな違いがあって、どちらが太りやすいのか? 果糖の特徴や果糖を含む食品を摂る際の注意点などを解説します。

ブドウ糖と果糖はどう違う?

まず、ご飯やパン、麺類などの炭水化物やアルコール類、果物などに多く含まれる糖質は、さらに糖類、多糖類、糖アルコールなどに分けられます。
果糖とブドウ糖、ショ糖(砂糖)などは糖類に分類され、果糖とブドウ糖はこれ以上分解されない小さな単位ですので、そのまま体内に吸収されます。
ブドウ糖はすぐに脳のエネルギー源として使えるくらい、吸収と消費が早く血糖値もすぐに上昇させることができます。
一方の果糖は体内への吸収と消費が緩やかに行われ、血糖値が急上昇することもありません。ただし、どちらも過剰に食べてしまうとエネルギー消費して余った分は中性脂肪に変り体に蓄積されてしまいます。
では次にそれぞれブドウ糖と果糖の違いについてみてみましょう。

 

ブドウ糖とは

穀類やブドウ、バナナ、アンズなどの果物、はちみつなどに豊富に含まれる糖類の一種です。ブドウに豊富に含まれていることから名づけられたといわれています。
体のエネルギー源として大切な役割を果たしていて、特に脳の唯一のエネルギー源ともいわれ1日に約150gのブドウ糖を使って、脳は働いています。
ブドウ糖を摂取すると脳に栄養が供給され、脳の働きが良くなり疲労回復といった効果があります。
甘味は、砂糖(ショ糖)の甘味の約65~75%とやや控えめで、水に溶けやすい性質を持っています。

 

果糖とは

果糖というのは名前の通り、果物に多く含まれている糖類の一種です。
ハチミツや根菜類などにも多く含まれていて、糖の中では最も水に溶ける性質が高いという特徴があります。
さらに果糖は天然の糖の中では最も甘く、強いコクがあり、冷やすと一層甘味が増します。
そのため清涼飲料水や冷菓に使われます。
保湿性もあるためカステラ、スポンジケーキ、羊羹などにも使われます。ゆっくり体内に吸収されるので消化が穏やかなエネルギーとされます。
ただし果糖は、ほとんどが肝臓で代謝され、インスリンも分泌されず血糖値が上がりにくいのですが、中性脂肪の増大につながる危険が高いということがわかってきました。

 

 

果糖はブドウ糖の3倍太る?

こんなデータが報告されたことがあります。1日にそれぞれ200kcalのブドウ糖と果糖を余分に摂取させて10週間経った後に調査したところ、果糖を摂ったグループではブドウ糖よりも内臓脂肪が3倍増えたというのです。
つまり簡単にいうと、ブドウ糖を摂ったよりも果糖を摂る方が3倍太りやすい、といえそうです。
それは、例えば糖質制限ダイエットをしているのに果物やフルーツのスムージーなどを摂取していたら、効果が上がらないということになりますね。

 

果糖が太るのは、肝臓で代謝されることも関係

実は、ブドウ糖と果糖は代謝経路が全く異なります。ブドウ糖は小腸から吸収されてその後、血液に入り様々な細胞に運ばれエネルギーとして利用されます。
そして余った分が中性脂肪となって貯蓄されます。
一方の果糖は、ほとんど肝臓で代謝されるため直接は血糖値を上げませんが、肝臓で中性脂肪などに変わり貯蓄され、肥満や脂質異常症を引き起こしたりします。
さらに、果糖は中性脂肪の合成を促進するともいわれています。
エネルギーとして速やかに使われないで残ってしまった果糖は、内臓脂肪や皮下脂肪、さらに肝臓にも蓄積され、肥満や脂肪肝の原因につながります。

 

果糖で満腹感は満たされない!

さらに、ブドウ糖と果糖では、摂った後の満腹感が違うのです。
ブドウ糖はインスリンや血糖値を上昇させ、同時に食欲を抑えるGLP−1の分泌が増加しますから、食欲を刺激するホルモンの分泌を抑えます。
満足感も得られてすぐには食べものを欲しません。
果糖はインスリンの分泌を促す刺激が弱めで、血糖値も直接上げませんが、GLP−1の分泌も増えないので、食欲が抑えられません。
そのようなことから果糖を摂っても満腹感が得られず、空腹感も減らないので食べ過ぎてしまう可能性があるのです。
このようなことから、果糖は太る、と言われているのです。

 

 

糖質制限する際には、こんな果糖に注意

果糖は、主に果物やハチミツなどに含まれていますが、実は果物を食べなくても意識せずに果糖を摂っています。
なぜかというと、良く口にするような清涼飲料水や乳飲料、アイスやお菓子などに使われる「異性化糖」に果糖が含まれているからです。
この糖は、とうもろこし、じゃがいも、さつまいもなどのデンプンを原料とし、酵素によってブドウ糖や果糖に分解して異性化し、液糖として使用されます。
果糖は、糖の中で一番甘味が強いという特徴を持ち、冷やすことでより甘味が強くなります。安価に製造できて、甘味は強いけれど口に残らずスッキリしているので、ジュースや冷菓などに広く異性化糖が使われていることも注意したいですね。
特に異性化糖液が使用された加工品は、口当たりが良く、思った以上に果糖を摂っていることを実感しにくいといえます。

 

 

果糖やブドウ糖の上手な摂り方

果糖は果物に多いから食べなければ良いのかというと、そういうわけではありません。
果物にはビタミンやミネラル、食物繊維、抗酸化成分などが含まれています。知らない間に摂り過ぎることのないよう、以下のことを意識してみましょう。

■果物は1日分の適量だけ摂ること

1日にフルーツ類をどれだけ摂って良いかというと、カロリーとして換算した場合80kcal程度になります。
具体的に、りんごや梨は半個、バナナ1本、ぶどう巨峰10粒、柿1個、キウイ2個がそれに相当します。
1日にどれか1種類を選んで食べましょう。色々な果物を食べたい時は摂り過ぎにならないように量を調節してください。

■食べても太りにくい果物を摂る

グレープフルーツ、パイナップル、キウイフルーツ、みかん、いちご、ネクタリンなどは果物の中では果糖の量が少なめです。
ただし夜に果物を食べるのは控えめに。できるだけ朝食べることをおすすめします。

■清涼飲料、アイス、スイーツなどは控える

果糖は、清涼飲料や菓子類、スイーツなど甘味の強い多くの加工食品に含まれています。意外かもしれませんが野菜ジュースにも、糖類が多く添加されています。
加工食品に含まれる果糖は、カロリーを高めるだけでなく、糖尿病や肥満、心血管疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患の発症も高めることが知られています。
工場で製造される「果糖ブドウ糖液糖=異性化糖」の摂り過ぎには、要注意です。

 

 

まとめ

糖分は、ほとんどの食品に含まれているといえます。「まさか、これにも…?」と思うような食べ物にでさえ、ブドウ糖や果糖、砂糖が入っていることは珍しくはありません。
そして糖を過剰に摂取することが、糖化を起こさせて肌の老化や不調の原因になり、内臓脂肪を増やし、糖尿病や心臓病を引き起こすことも知られるようになりました。
でも一方で、一般的な食べ物から摂取する糖質は、美容や健康を維持する上で必要な栄養素です。
上手に糖の働きを生かすためにも、お伝えしてきたようなブドウ糖や果糖の特徴を理解しておくこと、そしてその上で適切な量を摂取することが重要になってきます。

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