毎日、朝スッキリと起きられていますか? 努力しているのになかなか痩せられないという方は、睡眠不足が原因かもしれません。
ダイエットと睡眠って関係あるの?と思う方も多いと思いますが、実は睡眠中にはダイエットや美肌に大きく影響するホルモンが分泌されているのです。
ぐっすり眠ることでこれらのホルモンの分泌量が増え、代謝が良くなったり、食欲が抑えられたりと、うれしい効果が!
逆に睡眠時間が足りない、熟睡できないという方は、代謝が低下してダイエットには悪影響を及ぼします。これからダイエットと睡眠には具体的にどんな関係があるのか詳しく見ていきましょう。
以前「アメリカ臨床栄養学会」の発表に、たった一晩、良く眠れないというだけでも翌朝の代謝が下がるという報告がされたことがあります。
それによると最大で20%もの消費エネルギーが減少してしまう可能性があるということなのです。
さらにこの睡眠不足の状態が続くと、食欲ホルモンが増えて、加工品などのジャンクフードに手を出しがちになるとも言われています。
さらに、1日の睡眠時間が5.5時間以下の方は、7~12時間の睡眠をした方に比べて翌日385カロリーも多く物を食べていたという報告もあります。
それによると、しっかり睡眠を取った方が太らないし、ダイエットにも効果的ということがいえそうですね。
ではなぜ、良い眠りをすると太りにくいのでしょうか。これには成長ホルモンが関わっています。
子供の成長には欠かせないのがこのホルモンですが、大人になってからも分泌されていて、美容や健康にとって大切な働きをしています。
ダメージを受けた細胞の修復や再生、お肌のターンオーバーを正常化、アンチエイジングにとって必要不可欠のホルモンです。
それが睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌が減り新陳代謝が低下、太りやすくなるだけでなく肌荒れや乾燥、老化も早めてしまうのです。
また、睡眠中には食欲を抑制するホルモンの「レプチン」も分泌されています。睡眠不足だと食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌を高めてしまうのです。
こうしたことから、睡眠はたっぷり取り、成長ホルモンをより多く分泌させることがダイエットの近道なのです。
体を休めたり、記憶を整理したりする働きだけが睡眠ではありません。
熟睡している間に300kcalも消費すると言われています。運動に換算すると、約40分走った消費カロリーに相当するというのです。
質の良い眠りには、痩せ効果があることをお伝えしましたが、主に睡眠に深く関わりのあるホルモンには何があるかを改めてご紹介しましょう。
大人にとっての成長ホルモンは、日中に破壊された細胞を修復したり、代謝を促進したり、新しい細胞を作る役割があります。
このホルモンは十分な睡眠をすることで分泌されますが、その際に脂肪を燃焼させてエネルギーを得ています。
成長ホルモンを多く分泌することは、より多くの脂肪燃焼が行われることになるので、十分な睡眠が痩せることにつながるというわけです。
レプチンは、摂取エネルギーと消費エネルギーの調整を行っているホルモンです。
これが分泌されると満腹中枢が刺激されて、食欲を抑える作用があります。
睡眠中にはこのホルモンも分泌されますので、レプチンの分泌を増やすこともダイエットのためには重要です。
「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、心身の健康を維持するために不可欠なホルモンです。これが多く分泌されていると、ポジティブになりイライラせず、いつも穏やかでいられるなど精神が安定します。
質の良い睡眠にはリラックス状態にあることが重要ですし、セロトニンは睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンを作る材料でもあるため、眠りに大きく関係してきます。
「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンは、体内時計のような働きをしています。
夜暗くなると多量に分泌されて眠気を促し、朝起きて太陽の光を浴びることで分泌を抑制します。
寝る前にスマホのブルーライトを浴びたり、逆に朝起きて太陽の日を浴びないとメラトニンの分泌が乱れて睡眠のリズムが崩れ、寝つきが悪くなったり熟睡できないなどの影響が出てきます。
では、しっかり眠るためにはどんな方法があるのでしょうか。
そのカギは、まずは前述のメラトニンです。朝起きて太陽光を浴びることで分泌されるので、例えば夜12時に就寝する方は、朝8時までに起きて朝日を浴びれば、その日は自然に眠気が訪れるという仕組みです。
逆に起きる時間が毎日変わったり、睡眠時間の長さもまちまちだったりといったことでは分泌が低下してしまいます。
まずは、起床や就寝時間や食事の時間を毎日だいたい同じにするなど生活習慣を整えて、睡眠時間を削らないようなリズムを作りましょう。
成長ホルモン分泌をより活発にさせるためには、次のポイントも意識してみて下さい。寝つきも良く、ぐっすり眠れるようになりますから痩せ体質に近づけるはずですよ。
眠る時間の短い方は長い方よりも、肥満である比率が高まるといわれます。
平均睡眠が7時間以上の方と比較したとき、6時間だと23%、5時間だと50%、4時間未満では73%も肥満の傾向が高くなっているという報告もあります。
38〜40度のぬるいお湯に15分ほどつかると、体の内側まで温まって深部体温が上がります。その後で手足から熱が放出され、深部体温が下がっていきますが、この過程で眠気が訪れてきます。
この体温の変化はだいたい入浴後2時間後くらいに起こりますので、夜12時に寝る場合には、22時までに入浴を済ませましょう。
ストレッチは凝りをほぐし、血流を良くするとともに、副交感神経に働きかけてリラックス状態にしてくれます。
寝つきが良くなりますので、ゆったりとしたストレッチを行いましょう。おすすめの簡単にできるストレッチをいくつか紹介します。
仰向けになり両手両足を上に上げます。その状態で手足をブラブラと揺らします。力を入れずに緩い程度に行います。
正座の姿勢になり両手を前に伸ばし、体を前に倒します。息を吐きながら胸を下に近づけながらゆっくり背中を伸ばして下さい。
両足を伸ばして座り、両足を開きます。両手を前に持っていき体を前に倒して股関節を伸ばしましょう。
朝に日光を浴びると、すっきりと目覚めることができ体内時計が正常に働きます。そして夜の寝つきも良くしてくれます。
夜寝る前にカーテンを10㎝ぐらい開けて、朝日が差し込むようにしておくと自然に目が覚めるようになります。
朝食を摂る習慣を持つと体内リズムを整えられ、それが自然な眠りにもつながっていきます。また朝に必須アミノ酸であるトリプトファンの多い食品をとると、睡眠の質をアップさせるともいわれています。
・卵 ・鶏のむね肉 ・アジ、イワシ、サバなどの青魚
・プロセスチーズ ・納豆 ・バナナやキウイ
これらの栄養素から睡眠を左右するホルモンのメラトニンやセロトニンへ変わるのには時間がかかるので、朝のうちに食べておくことをおすすめします。
また朝食を摂ることは、噛む行為が脳の働きを活発にし、睡眠状態から覚醒状態へスイッチが切り替わることになりますから、体内リズムを整えるためにも大切にしましょう。
眠りと痩せることに関係があるとは思わなかった、という方も多いかもしれませんね。
でも、お伝えしてきたように毎日の睡眠を意識するだけで、ダイエットにうれしい効果がたくさんあることがお分かり頂けたのではないでしょうか。
食事制限や運動もダイエットには大事になってきますが、それと同時に睡眠の質や生活リズムも改めて見直してみて下さい。