「ダイエットしているのに、つい食べ過ぎてしまった!」と後悔したことのある方は多いのではないでしょうか。
そしてそんな時にやってしまいがちなのが、「食事を抜く」ということ。でも、これはあまり良いとはいえません。糖質制限や食事制限で摂取カロリーを減らして調整する方法は、むしろ逆効果になってしまうこともあります。
その理由は、主に「血糖値の急上昇」と「脂肪燃焼のしにくさ」の2つ。今回はこの点に注目しながら、食べ過ぎた後で食事を抜くとなぜいけないのかを解説し、摂り過ぎたカロリーを上手にリセットする方法も併せてご紹介していきます。
すでに摂ってしまったカロリーを帳消しにしたい…。そんな時、「1日断食」や「走り込み」などでエネルギーを急いで消費しようとするのは、残念ながら逆効果といえます。それはどうしてなのでしょうか。
一回の食事を抜いてしまうと、食事をする間隔が長くなってしまいます。
そのような状態で次に食べ物が入ってきた際には血糖値が急に上がりますから、それを下げようとインスリンが大量に分泌されます。
すると今度はそれによって血糖値が急降下し、体は糖が足りないと認識してしまうのです。
こうなると体は必要以上に糖を吸収するべく働きますので、その余剰分が脂肪として蓄積されるといった状態が起こります。
また食事を摂るリズムが崩れると、体内時計も乱れやすく自律神経にも悪影響を及ぼします。すると代謝も下がってしまい、脂肪を燃焼しにくくなりかねません。
大切なのは、食べ過ぎた分の摂取カロリーを減らすことではなく、代謝を上げて脂肪を燃焼させ蓄積するのを防ぐこと。そうすることで溜め込まない体作りができるでしょう。
体の機能を保つためのエネルギーを生む基礎代謝は、10代後半にピークを迎え、以降は下がる一方です。年齢が進むにつれてどんどん低くなり減り方も急になってきます。
確かに食べなければ体重は落ちるかもしれませんが、付け焼刃的なダイエットは効果が持続しないばかりか、かえって太るもとになりかねません。
食事を抜くと血液中のブドウ糖の値が低い状態が続き、体は危機状態と認識して次に食事を摂った際にブドウ糖をたくさん吸収します。
過剰に摂ったブドウ糖が使われないと、最終的に中性脂肪として蓄えられるため、絶食は“食べていないのに太る”という悪循環を招くことにもつながっていきます。
また食べ過ぎの罪滅ぼしに急に運動するのもあまり効果は見込めないといえます。実は、運動の消費エネルギーは思っているよりも少ないのです。
例えば体重65キロの方が1時間ウォーキングをした場合の消費エネルギー量は、およそ270キロカロリー。運動で使うエネルギー量はそれほど多くないと思ったほうがよさそうです。
ただし、全く無駄ということではありませんので、運動に加えてバランスの良い方法で取り組めば、より痩せやすい体質にもつながっていくはずです。
ここからは、食べ過ぎてしまった分を上手にリセットするためのポイントをご紹介します。
ポイントとしては、「3日以内に調整する」ことと「食事は抜かない」ことが挙げられます。
例えば、ランチに揚げ物などでカロリーオーバーしたら、夕食は抜かず軽めに食べる、飲みに行ったら翌日の夕食は控えめにするなど。2~3日の間で調整することが大事です。
では具体的にどのように調整していけば良いのか、効果的な対処法を見ていきましょう。
食事をどのくらい減らせば、何キロカロリー抑えられるのかを知っておくのも良いことです。通常食べているものから100キロカロリー落とすにはどうしたら良いのか例を挙げてみます。
ご飯を3口減らす
ウインナーを1本減らす
天ぷらそば → とろろそば
肉シューマイ → エビシューマイ
ポテトサラダ → 大根サラダ
ポテトチップス1/2袋 → 1/4袋
ミルク入りコーヒー → ブラックコーヒー
コーラ500ml → 250ml
ビール中ジョッキ → 小ジョッキ
ワイン1/2本 → 1/4本
例えば1回の飲み会で飲むお酒の量は、1000キロカロリー以上にもなるという報告もありますので、アルコールを控えたり、いつもの食事を少し変えてみたりしながら、1日250~300キロカロリーを目安に1週間程度かけて調整していきましょう。
250キロカロリーの食事制限なら続けられるという方も多いのではないでしょうか。
ダイエットで糖質カットしているのに炭水化物を摂ってしまった。そんな時「もうダメだ」と諦めてしまうのではなく、摂りすぎた糖質を減らす方法を試してみて下さい。
過食した後は塩分を摂り過ぎていることが多いといえます。さらに一緒にお酒を飲んでいると、むくみやすく、それが脂肪に変化していく可能性もあります。
飲み方は、のどが渇く前にこまめに摂るのが理想的です。代謝を下げる原因になる内臓を冷やさないように白湯を飲むと良いでしょう。
先に触れましたが、食事の間が空き過ぎると次の食事で血糖値の急上昇を招く可能性があります。おすすめは、食事の間隔を4時間以内にすること。
通常朝食、昼食、夕食の3食だとそれ以上時間が開くことになると思われますので、その際はおやつとしてカカオ含有量70%程度のチョコレートや、食塩不使用アーモンドなどのナッツ類を数粒摂って空腹を和らげるようにしましょう。
罪悪感を覚える過食とは、揚げ物のような脂っこいものや塩辛いもの、お砂糖たっぷりのスイーツなどではないでしょうか。
その場合は、まず足りていない栄養を補うように意識しましょう。さらに煮込んだ野菜スープなど刺激が少ないもので胃腸を労わり、腸内環境を整え、代謝アップに努めてあげることも大切です。
朝食では野菜中心のメニューで食物繊維やカリウムなどを摂り、余分な水分や老廃物の排出を促すこと。ランチはエネルギー代謝をアップするため、脂肪の少ない赤身肉、鶏の胸肉、魚、卵など高タンパクな食事を心掛けると良いでしょう。
また腸内を整えるためには発酵食品も積極的に取り入れるといいですね。
体を動かして活動量を上げることは消化の助けになるほかに、代謝アップにもなります。激しい運動をする必要はありませんので、軽いウォーキングくらいの運動で継続することが重要です。
通勤や外出する際に、エレべーターではなく階段を使う、ひと駅歩いたり家事を増やしたりし、家の中をたくさん動くことでもOKです。いつもより動くことを意識してみましょう。
太りにくい体作りにも「睡眠」はとても大切になってきます。それは寝ている間に脂肪の分解や美肌効果が期待できる成長ホルモンが分泌されるからだといわれています。
ですが、これには睡眠の「質」が大切なポイントになってきます。
寝る直前までスマホやテレビを見ていたり、忙しく働いていたりすると睡眠の妨げになることがあるので要注意です。
寝る前は香りでリラックスしたり、軽いストレッチをしたり、ゆったりとした気分で眠る環境を整えることが質向上にもつながります。
睡眠は体や心に様々な影響を与えていますので、質の良い睡眠へ導く工夫をご自身の好みに合う方法でしてみて下さい。
ダイエット中に食べ過ぎた時、なぜ食事を抜いてはいけないのかを解説してきました。
つい飲み会などで食べ過ぎてしまったり、夜遅くに無性に小腹がすいてお菓子を食べ過ぎたりした時でも、慌てて食事を抜かなくても大丈夫です!
ご紹介したような、暴食した次の日から3日ぐらいでできる対処法を意識して、実践してみましょう。イベントが増えるこれからのシーズンにうっかり食べ過ぎで太ってしまうことも防げるはずですよ。