私自身、他国の食情報などに関しては詳しくないのですが、日本で知られている知識で言うと、イタリア人のメインの食事といえばパスタやピザで炭水化物のオン
パレードなイメージですよね。フランスの食事もバターたっぷり練りこんだクロワッサン系のパンだったりリッチなお料理だったりしますよね。でも、アメリカ人ほどの肥満の方は見かけたことはありません。
アメリカで肥満問題に関しては、数十年前からすでに社会的に問題視されていて、テレビでも取り上げられているにも関わらず、一向に改善されているように思えません。
ただ、ここ数年で健康や美に関する意識の高い方が増えていることは確かで、ここ最近は日本食、特に私たちが日常的に食べている庶民的な食べ物などにも関心を寄せる方々が増えてきています。
前回のテーマで「日本のスーパーフード」を取り上げましたが、簡単にいうと、大豆から出来るお豆腐やきな粉、コアの方達の間ではなんと“おから”にまで興味が広がってきているようです。
医療技術や健康志向の方が増えた傾向にあるとはいえ、その一方で、未だ心臓病や糖尿病患者数は増えており、もはやコントロールするのは不可能な状況といっても過言ではないように思います。そして、その健康志向の方と肥満の問題を抱える方の格差は広がるばかりで、やはり就職率にも影響は反映されているようです。
その格差の原因となっているものは、これは日本にも当てはまりますが、以前からアメリカでも人気のある自然食品を扱ったスーパーがありますが、値段が高いため、元々自己管理のできる経済的にも安定した方しか買い物が出来ない現状にあります。
庶民にはなかなか高い自然食材を毎日摂り入れるのは難しいこと。またそのようなスーパーが身近にないこともあると思います。
(といっても、最近アメリカのアマゾンが大手自然食スーパーを買収しているので、オンラインで手軽に購入できるようになったかとは思いますが。)
ですので、元々アメリカ人の食生活の中心にあったファーストフードや格安スーパーなどで買えるスナック菓子や冷凍食品などは安価で手に入りやすく、健康や美に関する意識の低い方々や貧困層にとっては、これらを脱し、健康的なものを食するのはとても難しいのが現状です。
突然ですが、現在世界で生産される食料の約半分がゴミになっているという衝撃の事実をみなさんはご存知ですか?
世界的に深刻となっている環境問題の一つに「food waste」とがあり、これはスーパーに並べられるものの消費が追いつかず賞味期限が切れていないのに廃棄されたり、先ほどの「みにくい野菜・果物」など食べられるのに大量に廃棄され環境汚染の大きな要因になっています。
そんな中、自然食へのこだわりが高い方にも貧困層の方にとってもとてもありがたい取り組みがあります。
それは、以前の記事でもご紹介したことはありますが、「みにくい野菜」を積極的に取り入れる動きです。
「みにくい野菜・果物」とは、味も栄養価も損なわれず、規格外のサイズだったり、形が曲がってしまったりで市場に出回ることのない野菜で、見た目が悪いだけで捨てられてしまうかなりもったいない状況になっています。
そして見た目が悪いほど、自然の状態で育った可能性が高いのです。なぜならキレイな状態を保つのには農薬の力をかりざるを得ないからです。
アメリカではこういった問題に取り組むため、いくつかのレストランでは積極的にこういった廃棄する予定の「みにくい野菜・果物」を使用するところが出てきており、また形の悪い食材を専門に配送するベンチャー企業も出ているそうです。そして一般でも通常より安く購入が可能とのことで、貧困層の方達やホームレスのためのフードシェルターにも一役買っています。
また、この取り組みは実は最近の健康志向への意識が強い方にとってもとても理にかなった考え方でもあるのです。
先日のアメリカのアマゾンの買収で日本でもニュースになりましたが、アメリカで健康志向の高い方に以前から人気があったスーパーといえば、ホールフーズです。
ホールフーズとは、添加物も加えず、できるだけそのままの状態で食することを目指していますが、これと同じように、廃棄される予定の「みにくい野菜・果物」は、なるべく自然の状態を保ったから見た目が損なわれたので、健康志向の高い方の間で最近浸透してきている”シンプルライフ”や”自然に帰る”ことをモットーとされている方達の間でも、愛好者が増えてきています。
先ほど取り上げた”シンプルライフ”や”自然に帰る”がモットーとされている方が増えているアメリカですが、最近のアメリカのドラマで新たな発見がありました。
ビジネスで成功しているアメリカ人男性が「肉といえば、何かわかるか?」といって、彼の友達を日本の焼肉屋さんに連れて行き、薄切りの肉を焼いて食べるのが最先端といったようなシーンがありました。
日本人は、すでにその良さはわかっており、アメリカで本当にここ最近やっとガッツリと分厚いステーキを食べるのなんて何かダサいという雰囲気が漂い始めましたが、ステーキがダサいという見方が出始めてきた事の発端は、スーパーに牛肉が並ぶまでの過程で、牛の解体の様子を映像をSNSで広まったことも要因となり、ベジタリアン、ビーガンがここ最近増えたのではないかと言われていますが、焼肉が好きになってきたのはもちろん、日本食好きの方が単純に増えてきただけではなく、”味わう”という、シンプルライフをモットーにするにあたり、感覚を研ぎ澄まし始める方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
そういった流れの発端は実は”シンプルライフ”をモットーにする方が増え、そこから日本の”わびさび”に価値を見出しているとの見方があります。
最近のアメリカの美と健康に関して調べると、日本が大きなキーワードになっていることは明らかで、その中でも ”wabi sabi”をしばしば見かけます。
”わびさび ”ってナニ?と日本人でも説明が難しいこの概念。。。
簡単に説明すると「さび」世の中に存在する自然のものは全て、日が経てば見た目が変化せざるを得ないが、それを”劣化”と捉えるのではなく、変化が織りなす、
多様で独特な美しさとしており、「侘び」とはそれを慈しみ、美しさを見出す心、なんだそうです。
自然のそのものの美しさをいつくしみ、それを味わう、という姿勢なのかなと思います。
昨今はそういった姿勢から出来ている日本に興味を持ち、訪日される方も多いのではと思います。
ただ、日本は”ロリコン文化”とも言われるほど、外国人が日本人男性に対するイメージは「アイドルや若い人好き」で、wabi sabiの文化を持つ日本での矛盾を感じずにはいられませんが、本来そのwabi sabiの心を持っていた日本人が忘れてしまっているのかもしれないですね。
今後、外国人に聞かれる可能性のあるワードですよね!
とはいっても、食事のみならず日本人が本来根底に持ち合わせているであろう感覚を、最近の海外の方達が興味を持ち、特にアメリカなどは長年人間の気質が変わっているとも思えないのに、最近のアメリカ人の根本的な何かが変わってきているようで、とても興味深いです!